応募が減った時こそ“採用戦略”を見直すタイミング

応募が減った時こそ“採用戦略”を見直すタイミング

「最近、応募が減ったな」「いい人が来ない」──
現場でそんな声を聞くと、経営者としては不安になりますよね。
でも、これは“終わりのサイン”ではなく、“見直しのチャンス”です。

実は、採用がうまくいかなくなる瞬間には共通する「構造のズレ」があります。
そのズレを正すだけで、再び応募が増え、採用が安定し始める。
今日はその“見直しのタイミングと方法”を、元・建設会社の人事部長としてお話しします。


採用職人は建設業に特化した中小企業様向けに採用支援サービスを提供しています。
採用でお困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。御社の成長を加速させる機会を。


現場データが示す“採用停滞”の現実

建設業界では、2024年時点で全体の約68%の企業が「前年より応募が減った」と回答しています(出典:厚生労働省「労働経済動向調査 2024年版」)。
一方で、同じ地域・同じ職種でも、応募を維持・増加させている企業もあります。

この違いを生むのは「求人媒体」や「広告予算」ではなく、
採用戦略そのものが“過去の成功パターン”に縛られているかどうか。

3年前にうまくいった方法が、今まったく通用しない──
そんな変化が静かに起きているのが、今の採用市場です。


採用失敗の共通点:ズレたまま走り続ける構造

採用がうまくいかない会社ほど、「一時的な不調」と捉えてしまう傾向があります。
しかし、本質はもっと根深い。
人が集まらない原因の多くは、“採用活動そのものの構造”にあります。

典型的な例を挙げましょう。
私が以前勤めていた建設会社でも、ある時期から応募が激減。
「時期が悪い」「景気のせい」と言いながら、広告費を上げ続けていました。
結果──半年で広告費200万円、応募7人、採用ゼロ。

原因を追ってわかったのは、求人原稿ではなく、採用戦略がズレていたということ。

  • 3年前に作った採用ターゲットをそのまま使用
  • 面接基準が曖昧で、“雰囲気採用”になっていた
  • 応募導線が複雑で、途中離脱が多発
  • 求人原稿と現場実態のギャップ

このような「古い戦略のまま動いている」ケースが、驚くほど多いのです。


データで見る“採用戦略の劣化速度”

リクルートワークス研究所の調査によると、
採用戦略の有効期間は平均で2〜3年と言われています(参照:https://www.works-i.com/research/)。
つまり、「3年前に成功したやり方」をそのまま使っている会社は、
すでに時代遅れの設計図で戦っている可能性が高い。

市場の変化、求職者の価値観、応募動線の設計──
これらが年々変化している中で、「戦略の棚卸し」をしないこと自体がリスクになっています。


採用戦略を見直す3つのサイン

次のような状況が見え始めたら、それは見直しのタイミングです。

  1. 応募数が3ヶ月連続で減少している
  2. 面接から採用までの通過率が50%以下になっている
  3. 「辞退・離職」が増えている

これらはいずれも“戦略の老朽化”のサイン。
現場で起きている数字の変化が、実は一番正直な「警告灯」なのです。


改善の第一歩:「採用構造」を再設計する

では、見直すべきは何か。
それは「求人の出し方」ではなく、「採用構造の設計図」です。

私はこれを3ステップで整理しています。

① 現状の可視化

応募〜採用までの各段階を数字で把握します。
「応募数」「面接率」「採用率」「定着率」を時系列で出すと、
どの部分に“詰まり”があるかが見えてきます。

② 採用ターゲットの再定義

「誰を採りたいのか」を3年前のままにしていませんか?
地域・年齢・経験よりも、“価値観”で定義し直すことが鍵です。

③ 求人導線と面接設計の再構築

応募ページの動線・説明文・写真・質問内容。
全てが「ターゲットに合わせた体験」になっているかを再確認します。


戦略を見直して採用数10倍を実現

私が人事部長を務めていた頃、
広告会社任せの採用に限界を感じ、構造全体を見直しました。

結果:

  • 広告費200万円 → 100万円に削減
  • 応募数:10人 → 200人
  • 採用数:2人 → 20人
  • 採用単価:150万円 → 40万円

特別なことはしていません。
「採用戦略を見直し、現場に合う設計に変えただけ」です。


採用職人の採用支援サービス

現場採用のノウハウを体系化した
採用職人の採用支援サービス』では、
求人設計から応募導線の最適化、面接改善までを一気通貫で支援しています。

“採用が止まった会社”を“採用が回る会社”に変える──
その第一歩を、ぜひ一緒に設計しましょう。


採用戦略の再構築が未来を変える

採用の見直しは、単なる修正ではありません。
それは「これから先、どんな会社になりたいか」を再定義する作業です。

戦略を見直すことで、応募は戻り、採用は安定し、
何よりも“現場が前向きに変わる”瞬間を私は何度も見てきました。

もし今、「うまくいっていない」と感じているなら──
それは、再スタートの合図です。

「採用は気合でも予算でもなく、仕組みで回すもの」。
御社の採用戦略を、今こそ再構築しましょう。



参考資料: