応募が減った会社がまず見直すべき「採用戦略の盲点」

採用の成功は“戦略を変えた瞬間”に始まる
「最近、応募が減った」「面接までつながらない」──
このセリフ、建設業の経営者からもう何十回と聞いてきました。
でも、不思議なことに“改善が早い会社”には共通点があります。
それは、「やり方」ではなく「戦略」を変えた瞬間に動きが出るということ。
今回は、私自身の人事部長時代の失敗と再起の経験をもとに、
“採用が止まった時に見直すべきポイント”をお話しします。
採用職人は建設業に特化した中小企業様向けに採用支援サービスを提供しています。
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「応募が減った=戦略がズレ始めた」
まず最初に言いたいのは、応募が減るのは自然なことです。
問題は、「なぜ減ったのか」を深掘りせず、
「媒体を変える」「広告費を増やす」で済ませてしまうこと。
厚生労働省の労働経済動向調査(2024年)によると、
建設業では約7割の企業が「前年より応募数が減った」と回答しています。
でも、同じ地域でも応募を伸ばしている会社があるのも事実。
違いは何か?
──“採用戦略の更新頻度”です。
3年前の成功パターンを今も続けていませんか?
採用市場は年々変化し、求職者の価値観も働く理由もまったく違う。
「昔のやり方」が通用しなくなるのは当たり前の話なんです。
【実話】広告費200万円かけても採れなかった時期
私が建設会社の人事部長をしていた頃、まさに同じ壁にぶつかりました。
求人媒体に200万円以上使っても、応募はわずか10人。
そのうち採用に至ったのは2人。
半年後にはその2人も退職。
当時は「応募が少ないのは季節のせい」「景気が悪い」と言い訳していました。
でも本当の問題は、採用戦略そのものが古くなっていたんです。
- ターゲット像が「経験者」固定のまま
 - 現場が忙しく、面接が“形式的”になっていた
 - 求人原稿が5年前のコピー&ペースト
 - 「応募してからの体験」が最悪(返信が遅い、説明が曖昧)
 
結局、戦略のズレが“採用の空回り”を生んでいた。
この時ようやく、「戦略の見直し」を始める決断をしました。
戦略見直しのきっかけは「数字の変化」
採用戦略を変えるタイミングは感覚ではなく、数字で判断すべきです。
特に次の3つのサインが出たら、迷わず見直しを。
- 応募数が3ヶ月連続で減少している
 - 面接通過率が50%を下回っている
 - 採用後3ヶ月以内の離職率が上昇している
 
この3つが揃ったら、それは“構造が古くなっている”証拠。
数字の落ち込みを「時期のせい」にしてしまうと、
半年、1年と採用活動が沈み続けてしまいます。
「採用戦略」を再構築する3つの視点
戦略見直しの基本は、“過去を疑い、今に合わせる”こと。
私は次の3ステップで戦略を再設計しました。
① ターゲットの再定義
以前は「経験者・有資格者」にこだわっていましたが、
実際の現場では未経験でも“続けられる人”の方が成果を出していた。
そこで、「経験」ではなく「価値観」と「姿勢」で採用基準を見直しました。
これだけで応募の幅が一気に広がった。
② 求人導線の再設計
応募ページを一から見直し、
「誰に」「何を」「どんな順番で伝えるか」を再構成。
特に「写真」と「仕事の1日の流れ」を入れただけで、応募率が2.8倍に。
人は“仕事内容”より“自分が働く姿”をイメージして応募します。
③ 面接・選考の再構築
面接では「相手を選ぶ」より「理解する」に重心を移しました。
質問を変えるだけで通過率が2倍に。
たとえば以前は
「今後どんな現場を経験したいですか?」
と聞いていたところを、
「どんな環境だと一番力を出せると思いますか?」
に変えた。
この“質問の質の変化”が、現場定着率を高める鍵になりました。
結果:応募200人・採用20人の仕組みに変化
戦略を見直した結果、数字は劇的に変わりました。
| 項目 | 改善前 | 改善後 | 
|---|---|---|
| 求人広告費 | 200万円 | 100万円 | 
| 応募数 | 10人 | 200人 | 
| 採用数 | 2人 | 20人 | 
| 採用単価 | 約150万円 | 約5万円 | 
しかも、採用後1年の定着率は60% → 85%に。
“戦略の更新”がすべてを変えました。
戦略を変える=会社の未来を変える
採用戦略の見直しは、単なる改善ではありません。
それは「会社のあり方」を再定義する行為です。
採用とは、会社がどんな人と、どんな未来を創りたいかを形にするもの。
戦略を変えるというのは、未来への意思表示なんです。
だからこそ、
- 「なんとなく続けている採用」
 - 「毎年同じ媒体に出しているだけ」
から脱却しない限り、結果は変わりません。 
「採用は仕組みで決まる」──
それが、何百社もの現場を見てきた私の結論です。
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『採用職人の採用支援サービス』では、
求人設計から応募導線、面接改善、定着施策までを一気通貫で設計。
“求人会社任せ”から抜け出し、
自社で採用をコントロールできる仕組みをつくる支援をしています。
御社の採用を、再び「動き出す状態」に戻しませんか?
採用戦略の見直しは「今」が最適なタイミング
採用の停滞は“終わり”ではなく、“見直しのサイン”です。
過去の成功パターンを一度手放し、
現場に合わせた新しい戦略を設計する。
その一歩を踏み出した瞬間から、採用は動き始めます。
採用の成功は、“戦略を変えた瞬間”に始まる。
あなたの会社も、今がそのタイミングかもしれません。

