応募が減っても焦らない。建設業が立て直すべき採用構造の3要素

採用が止まった会社が最初に見直すべき3つの構造
「応募が来ない」「採ってもすぐ辞める」──
どの建設会社でも一度はぶつかる壁です。
多くの経営者が、こう思います。
「求人の出し方を変えれば、何とかなるだろう」
しかし、それは大きな誤解。
採用が止まる原因は“求人広告”ではなく、
もっと根本的な「構造」にあります。
今回は、人事部長時代に200万円の広告費をかけて採用ゼロだった私が、
そこから応募200人・採用20人を達成するまでに行った“採用構造の見直し”を、実例付きでお伝えします。
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誤解①:「求人広告を変えれば採用もうまくいく」
建設業界の多くの企業は、採用が止まるとまず「媒体」や「原稿」を疑います。
しかし、厚生労働省の「労働経済動向調査(2024年)」では、
**求人を掲載しても応募がなかった企業の72%が“採用方針の見直しを行っていない”**というデータがあります。
つまり、構造を変えない限り、求人を変えても結果は同じなのです。
これはまるで、基礎が傾いた建物に新しい壁紙を貼るようなもの。
見た目は変わっても、根本は崩れたまま。
「採用には“3つの構造”がある」
私が人事責任者として採用を立て直した際に気づいたのは、
採用には「3つの構造」があり、どれか1つでも崩れると全体が止まるということです。
その3つとは──
- 採用ターゲット構造(誰を採るのか)
 - 採用導線構造(どう出会わせるのか)
 - 面接・定着構造(どう惹きつけるか・続けさせるか)
 
実例:3つの構造を立て直した採用再構築の記録
当時の私は、まさに「やっても成果が出ない」状況にいました。
状況(見直し前)
- 広告費200万円
 - 応募10人未満
 - 採用ゼロ
 - 面接辞退・早期離職多発
 
施策(見直し後)
3つの構造をすべて再設計しました。
① 採用ターゲット構造を変える:「経験者」から「定着人材」へ
以前は「資格持ち」「現場経験者」ばかり狙っていました。
でも現実は──
「経験者ほど転職慣れしていて、すぐ辞める」
そこで、“続けられる人”にターゲットを変更。
採用基準を「資格・年齢」から「価値観・姿勢」に変えたのです。
例:
- “現場での会話が好き”
 - “先輩に質問できる”
 - “指示待ちより、観察して動ける”
 
この基準に変えるだけで、応募の質がガラッと変わりました。
② 採用導線構造を変える:「伝える順番」を再設計
以前の求人原稿は「仕事内容」「給与」「資格」の3点だけ。
でも、今の求職者は「自分がどんな毎日を送るか」を重視しています。
そのため、求人の中に次の3要素を追加。
- 1日の仕事の流れ
 - 現場写真(作業中・休憩中・集合写真)
 - 現場スタッフのリアルな声
 
結果:
応募率は2.8倍に上昇。
求人を見た時点で「この会社で働くイメージ」ができる人が増えました。
③ 面接・定着構造を変える:「選ぶ」から「理解する」面接へ
以前は、面接で「できるか・できないか」を判断していました。
でも、それだと相手も身構える。
そこで、面接方針を「理解面接」に変更。
質問の中心を“過去の実績”から“未来の行動”へ。
例:
「これまで何をやってきたか?」
→ 「どんな現場なら力を発揮できそうですか?」
この変更で、面接通過率は40%→75%へ上昇。
さらに、入社3ヶ月以内の離職率が半減しました。
実行法:採用再構築の3ステップ
この3つの構造を整えるには、次のステップが効果的です。
STEP1:採用の「見える化」
- 応募数、面接率、採用率、定着率を1枚の表にまとめる。
 - どこで数字が落ちているかを“構造的に”可視化。
 
STEP2:ズレの特定
- 応募が少なければ「ターゲット構造」
 - 面接で落ちるなら「導線構造」
 - 定着しないなら「定着構造」
 
このように、症状ごとに対策ポイントを切り分けます。
STEP3:小さく修正・大きく継続
戦略を一気に変えるのではなく、
1構造ずつ順番に整える。
「一ヶ月に1改善」を意識するだけで十分です。
結果:数字が変わると、会社の空気が変わる
構造を見直した結果、わずか半年で採用は安定軌道に。
| 指標 | 見直し前 | 見直し後 | 
|---|---|---|
| 応募数 | 10人 | 200人 | 
| 採用数 | 2人 | 20人 | 
| 採用単価 | 約150万円 | 約5万円 | 
| 定着率(1年後) | 60% | 85% | 
数字が変わると、現場の空気も変わります。
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まとめ:採用が止まった時こそ、チャンス
採用が止まるのは、終わりではなく「再構築のサイン」です。
古い戦略を捨て、3つの構造を見直す。
それだけで、採用は再び動き出します。
- 誰を採るか(ターゲット構造)
 - どう出会わせるか(導線構造)
 - どう続けさせるか(定着構造)
 
採用の成功は、“戦略を変えた瞬間”から始まる。
御社の採用構造を、今こそ再構築しましょう。
参考資料:
- 厚生労働省「労働経済動向調査(2024年)」
 - リクルートワークス研究所「人材採用白書2024」 https://www.works-i.com/research/
 

