Z世代はなぜ建設業を選ばないのか?「やる気」より「選択肢」の時代に対応する採用設計

「最近の若者はすぐ辞める」──それ、本当に“若者の問題”ですか?

現場でよく聞くこの言葉。
でも私はこう返します。「それ、会社側の設計が“今の時代”に合ってないだけです」と。

Z世代は“やる気がない”のではなく、“選択肢が多い”だけ。
情報も、働き方も、価値観も、昭和や平成の延長線では通用しません。
建設業の経営者がこの構造を理解しない限り、どれだけ広告費をかけても若手は集まりません。

この記事では、「若手が来ない・続かない理由」を現場と心理の両面から掘り下げ、
“やる気”に頼らない採用設計の具体策をお伝えします。

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「やる気がない若者」という誤解

「うちの現場に来る若い子、すぐ辞めるんだよ」
「昔はもっと根性があった」
──そう話す社長を、これまで何十人も見てきました。

でも、データを見れば明らかです。
Z世代(20代前半)の離職理由の上位は「労働時間」でも「給料」でもなく、
“成長実感がない・意味を感じられない”

つまり彼らは「やる気がない」のではなく、
“自分の時間と努力をどこに投資するか”をシビアに選んでいるんです。


Z世代の就職行動は「価値観選択」になっている

彼らは“就職”を「選択肢の一つ」としか見ていません。
起業・副業・リモート・フリーランス……あらゆる道が並列化された時代。

「やる気がない」ではなく、「選択肢が多すぎる」んです。
そして、“どの会社で働くか”よりも“自分が何を得られるか”を軸に動く

つまり企業が発信すべきは「給料」や「待遇」ではなく、
“働く意味を感じられるストーリー”です。

それを伝えられない会社は、どれだけ好条件でも若者には響きません。


求人広告では採れず、現場の言葉で採れた会社

私が人事部長を務めていた頃、年間200万円の求人広告を使っても応募ゼロ。
そのとき気づいたのは、「求人広告の言葉が全部“会社目線”だった」ということ。

たとえば当時の原稿にはこう書いてありました。

「経験者優遇」「安定した環境」「頑張りを評価」

でも若手に響いたのは、次の一文でした。

「先輩も未経験スタート。3年後に“人を教える側”になれる職場です」

──応募が一気に3倍になった。

若者は「条件」より「成長の物語」に反応します。
数字でいえば、応募率2.8倍・面接率1.5倍・採用率1.7倍
結果的に、採用単価は40万円を切りました。

関連してこちらの記事も参考になります →
👉 建設業の技術者採用、なぜうまくいかない?現場視点で解く“人が集まる条件”


実行法①:「若手視点」で求人原稿を書き直す

Z世代が反応する求人には、共通点があります。
それは「自分ゴト化」できる情報があること。

書き換え例:

  • ×「業界トップクラスの技術力」
  • ○「未経験でも3年で一人前を目指せる教育体制あり」
  • ×「安定企業で長く働ける」
  • ○「キャリアを描ける“現場リーダー育成ルート”あり」

求人の「言葉」を変えるだけで、応募は3倍になります。
詳しくは → 伝え方を変えるだけで応募は3倍──“求人コピー設計”の技術


実行法②:採用導線を“会話”でつなぐ

Z世代は“体験”を重視します。
だからこそ、面接では「質問」より「共感」が重要です。

たとえば、

「なんでこの仕事に興味を持ったの?」よりも
「どんな働き方をしてみたい?」

──こう聞くだけで、応募者の表情が変わります。
会話を通じて「自分の意見を尊重してもらえた」と感じた瞬間、
彼らは“選ばれる側”から“選ぶ側”へ変わる。

この心理変化が、採用成功の分かれ道です。


実行法③:採用文化を“現場発信”に変える

もう一つのポイントは「誰が語るか」。
Z世代は“上からの発信”より“リアルな声”に信頼を置きます。

たとえば現場の職長が「自分も最初は工具の名前も知らなかった」と語るだけで、
会社の雰囲気が伝わる。

採用を「現場のプロジェクト」に変えたA社では、
職長が採用動画を撮り、応募が月3件から15件に増加しました。

関連して、こちらの記事でも実践例を解説しています →
👉 現場が採用を理解した瞬間、応募が倍増した話


広告費を減らし、応募200人・採用20人を実現させた実績

仕組みを整えた結果、広告費は1/3になり、
応募200名・採用20名を達成。

SNSも使わず、求人広告会社任せをやめて自社運用に切り替えただけ。
詳しくは → 求人広告会社に頼ってもうまくいかない理由と“自社で採用を強くする方法”


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求人設計から応募導線、面接教育までを一気通貫でサポートしています。

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まとめ:「やる気」は“設計”で引き出すもの

若手が「やる気がない」のではありません。
やる気を感じられる“構造”が、会社側にないだけ。

採用は「気合」でも「予算」でもなく、仕組みです。
Z世代の価値観を理解し、共感と成長を軸にした採用設計を進めること。
それが、これからの建設業に求められる人材戦略です。


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