採用強化=広告増額ではない。中小建設業がやるべき“本当の戦略”

「採用強化=広告費アップ」と思っていませんか?
「応募が来ないから広告費を上げよう」
多くの経営者がそう口にします。
でも、それを3年繰り返しても“現場の人手不足”は解決しません。
実は、採用を“強化”するとは「お金を増やす」ことではなく、「導線を整える」こと。
広告・原稿・面接を一本の線でつなげる“設計力”が、成果を左右します。
私は元・建設会社の人事部長として、年間200万円の広告費を使っても採用0人という地獄を経験しました。
そこから設計を見直し、応募200名・採用20名を実現。
「採用は構造の問題だ」と確信しています。
この記事では、建設業の採用を**“本質的に強化”**するための考え方を、データと実例を交えて解説します。
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🟧 ① 現場の事実:建設業の採用が“詰まる”構造的な現実
いま、全国の建設業の有効求人倍率は約6.5倍。
つまり、1人の職人に6社が群がる状態です。
応募が減っているのではなく、他社に流れているのが実態。
採用が詰まる原因は「見せ方」にあります。
求人広告を出しても、“魅力の翻訳”ができていない。
「給与」「手当」「現場地域」だけを並べても、求職者の心は動きません。
現場仕事に応募する人は、条件よりも“安心感”を重視します。
「この会社なら、長く働けそうだ」と思える設計をしているか——。
ここが分かれ目です。
🟧 ② データで見る:採用強化の「誤解と現実」
厚労省の調査によると、中小建設会社の求人広告経費の平均は年間150〜300万円。
にもかかわらず、採用単価は平均150万円/人。
要するに「高いお金を払って少数しか採れない」構造が常態化しています。
一方、私が運用を立て直した会社では、
- 有料+無料媒体の組み合わせ
- 原稿改善と導線設計の最適化
によって、応募単価3万円以下・採用単価40万円以下を達成しました。
採用を「強化」するとは、コストを増やすことではなく、効率を最大化すること。
無駄な掲載を減らし、求職者が“応募しやすいルート”を作ることが鍵です。
🟧 ③ 人事部長時代の失敗と再設計の実話
3年前、私は「求人広告会社に任せる」スタイルを続けていました。
営業担当の言葉を信じて、媒体をコロコロ変える。
結果、年間応募10人以下・採用ゼロ。
転機は、「誰のための求人か?」を問い直したこと。
現場で働く職人に直接ヒアリングし、
「どんな言葉なら自分が応募したくなるか」を徹底的に聞き出しました。
その結果、
“休みよりも、仲間の雰囲気”
“安定よりも、安心して教えてもらえる環境”
という本音が見えてきた。
そこから原稿を**“条件説明”から“体験共有”**に変えたところ、応募数は一気に10倍。
「職人が読んで共感する求人原稿」にしたのです。
関連して、こちらの記事でも詳しく解説しています →
👉 現場採用の本質をまとめた記事
🟧 ④ 実践ステップ:建設業の採用を強化する3つの仕組み
STEP1:ペルソナ設計をやり直す
「誰に来てほしいか」を1人の人物像として明確化。
“元請経験ありの30代職人”など、想定を具体化します。
STEP2:求人原稿の言語を現場化する
カタログ的な表現ではなく、「朝礼の雰囲気」「先輩との距離感」など、実体験で書く。
文字で“現場の温度”を伝えることが応募率を左右します。
STEP3:面接導線を整備する
応募〜面接までの“放置時間”を最短化。
1日以内の返信、日程自動化、現場見学の導入。
スピード対応が“採用強化の最後の壁”です。
このテーマを掘り下げたい方はこちら →
👉 採用成功の具体ステップはこちら
🟧 ⑤ 成果が出た“仕組み化”の証拠
この3ステップを整備した結果、
- 応募数:年間200名超
- 採用数:20名
- 採用単価:40万円以下
採用を仕組み化すると、“広告に頼らず回る採用”になります。
職人が職人を呼び、現場が自然に育つ。
採用が会社文化の一部になるのです。
🟧 ⑥ noteで公開中:「求人導線設計マニュアル」
この記事で触れた“求人動線の設計マニュアル”は、
私のnoteでテンプレート付きで解説しています。
20,000円と聞くと高く感じるかもしれませんが、
「応募が月1人でも増えれば1年で採用単価が数十万円下がる」——そう考えると、知らない方が損です。
業種別のデータ、広告設計の雛形、面接改善の導線まで含めて、コンサル1回分以上の価値を詰め込みました。
🟧 ⑦ まとめ:採用は“気合”ではなく“仕組み”
「もっと広告を出そう」ではなく、
「どうすれば応募が増える構造になるか」を考えること。
採用強化とは、会社の“未来の土台づくり”です。
いま動くか、来年も同じ悩みを抱えるか。
選ぶのは、あなたです。
採用は“気合”ではなく“仕組み”。

