採用が教育を、教育が採用を変える。建設業が成果を出す仕組み改革

「採ったあと」は、もう“別の話”ではない

「採用は人事」「教育は現場」──そう線を引いていませんか?
多くの建設会社がこの境界線を引いたまま、
“採用しても育たない・辞める”という悩みに陥っています。

私は人事部長時代、採用と教育を一体化させることで、
**応募200名/採用20名/定着率90%**を実現しました。
仕組みを変えただけで、人も現場も変わったのです。

今回はその経験から、
「採用と教育をつなげる」ことで採用の質と教育コストを同時に改善する方法をお伝えします。

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「うちは採用しても、育たないんだよ」

これはどの社長も口にする言葉。
しかし実際に現場を見てみると、「育たない」のではなく、“育てる設計が採用時点で存在していない”ケースが大半です。

たとえば、採用面接では「やる気があるか」を重視しているのに、
入社後は“段取り力”が求められる。
このズレが、最初の3ヶ月で離職を招くのです。

現場監督は「教えても続かない」と嘆き、
人事は「せっかく採用したのに…」と落胆する。
──でも、それはどちらのせいでもありません。
採用と教育が別々に設計されているからです。


採用と教育を分けていた頃の“現場の混乱”

かつて私がいた建設会社でも、完全に分断されていました。
採用担当は広告と面接だけ。
入社後の教育は現場任せ。

結果、こうなりました:

  • 新人が「何をすれば評価されるか」分からない
  • 職長が「どこまで教えるべきか」分からない
  • 人事が「なぜ辞めたのか」分からない

つまり、全員がバラバラの地図を持って歩いていた状態。

それが変わったのは、採用設計に“教育ステップ”を組み込んだ時でした。


採用は“教育の始まり”である

採用とは、“教える前提で選ぶ”ことです。
つまり、教育計画がない採用は設計不良

たとえば面接で「どんな成長を望むか」を聞いても、
入社後にその成長ルートが提示されなければ意味がありません。

採用の段階で、以下の3つを言語化しておくことが重要です:
1️⃣ 入社後6ヶ月で何ができるようになるか
2️⃣ 誰が・どの順番で教えるか
3️⃣ 成長をどう評価するか

これを明確にするだけで、採用と教育が一本の線でつながるのです。


解決策①:採用要件と教育フローを一体化させる

採用要件書に「採用後の教育ステップ」を追記します。

たとえば、

  • 【採用要件】施工補助(未経験可・向上心重視)
  • 【育成ステップ】
     1ヶ月目:安全ルール/3ヶ月目:軽作業補助/6ヶ月目:施工管理補助

これを採用段階で提示することで、求職者の期待と実際の教育内容が一致し、離職率が下がります。

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解決策②:採用と教育を“面談設計”でつなぐ

採用後の最初の面談で、「あなたの6ヶ月プラン」を共有します。
これは“内定者面談”というより、“育成初期ミーティング”。

この時に、

  • 「どんな仕事を覚えていくか」
  • 「誰がサポートするか」
  • 「評価のポイントは何か」
    を明確にしておくと、新人の不安が激減します。

私が支援したB社では、この導入により定着率が半年で40%→88%に改善しました。

この手法をより詳しく知りたい方はこちら → 面接で“いい人”を落とさないために──建設業が見落とす採用プロセス設計


解決策③:現場教育を“採用評価”に組み込む

教育を現場任せにせず、職長・リーダーの育成貢献を評価に反映します。
「誰を採ったか」だけでなく「どう育てたか」も評価指標にすることで、
採用〜教育のサイクルが一気に回り始めます。

関連して、こちらの記事でも紹介しています → 現場が採用を理解した瞬間、応募が倍増した話


解決策④:動画OJTで“採用から教育までの導線”を整える

採用段階で撮影した「現場紹介動画」や「先輩インタビュー」を、
教育フェーズでも活用する。

「入社前に見た人たちが、今教えてくれている」という安心感が生まれ、
心理的距離がぐっと縮まります。

この“動画OJT+採用設計”の融合で、教育コストを半減した事例はこちら →
教育コストを半分にする“動画OJT”のすすめ


採用と教育をつなぐと、採用単価も下がる

採用と教育を分けないことで得られる効果は3つ。

  • 定着率が上がる(半年で+40%)
  • 教育コストが減る(平均▲35〜50%)
  • 採用単価が下がる(40万円以下を実現)

“人を採る力”と“育てる力”は、本来セット。
ここを分けて考えている限り、採用は永遠にコストで終わります。

採用と教育を設計でつなぐことで、
「人が育つ=会社が伸びる」サイクルが回り出します。


採用と教育を“仕組み”で一本化しよう

採用は入口、教育は道。
別々の道を走らせず、最初から同じ設計図に描く。
それが、採用職人が提唱する「育成設計」です。

現場で人が育たない理由は、気合ではなく設計ミス。
だからこそ、今すぐ仕組みを整えることが一番の投資になります。

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