“採用データ”を見れば、次に打つ手が見えてくる。建設業の採用を変える数字の力

採用を「データ」で語れる会社は強い
「応募が少ない」「いい人が来ない」「面接で迷う」──。
多くの会社が抱える採用の悩みですが、
実はこの“迷い”の正体は、データがないことにあります。
どの媒体が効果的なのか、どんな人が定着しているのか。
その「数字」が見えれば、採用は感覚ではなく戦略になります。
この記事では、建設業の採用現場で得た実例をもとに、
“採用データ”をどう見れば、次に打つ手が見えるのかを解説します。
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採用の“勘と経験”が通じない時代に入った
昔は「いい人を見たら分かる」と言われました。
しかし今、応募者の価値観も行動も多様化し、
“感覚採用”では成果が安定しません。
特に建設業では、若手が減り、職人が高齢化。
「とりあえず出してみよう」「誰か来ればいい」では、
時間も費用もムダに消えていく構造です。
採用の成功率を上げるには、**「数字で判断する仕組み」**が不可欠。
いわば「勘」から「データ」による意思決定への転換期に来ています。
👉 関連記事:求人広告会社に頼ってもうまくいかない理由と“自社で採用を強くする方法”
数字で見る採用の「もったいない損失」
私が支援したある中小建設会社では、
毎年100万円の求人広告費をかけていました。
しかし、実際に採用データを整理してみると──
| 指標 | データ | 課題 |
|---|---|---|
| 応募数 | 68件 | 数だけ見れば多い |
| 面接設定率 | 32% | 返信遅れ・辞退が多発 |
| 採用率 | 6% | 採用判断が属人化 |
| 定着率(半年) | 42% | ミスマッチが多い |
このデータを初めて“見える化”した時、
経営者の第一声は「ここまで落としてたのか…」でした。
でも、数字が見えた瞬間に“打つ手”も見えました。
・返信スピードを自動化
・面接評価シートを標準化
・採用基準を数値化
結果、面接設定率80%・採用率15%・定着率85%を達成。
データは「現実を突きつける鏡」であり、
同時に「改善の地図」にもなります。
なぜ“採用データ”を活かせない会社が多いのか?
理由は3つあります。
1. 数字を「広告会社」に預けている
媒体の効果測定やクリック率を、外部業者に任せっぱなし。
結果、自社にデータが蓄積しない。
2. 数字を「見ても使えない」
応募数だけを見て満足してしまい、
どの段階で落ちているのか分析できていない。
3. 数字を「人事のもの」として閉じている
経営・現場・教育に共有されず、全社で活用されていない。
つまり、データを「見る」だけで終わっているのです。
本当に必要なのは、“データで動く採用”。
改善策①:採用データを“経営指標”として設計する
採用データは「人事の報告資料」ではありません。
経営を動かす数値情報です。
まず見るべきはこの5つの指標です。
| フェーズ | 指標 | 意味 |
|---|---|---|
| 広告 | クリック率 | 興味を持たれているか |
| 応募 | 応募率 | 原稿の訴求力 |
| 面接 | 面接設定率 | 反応スピードと印象 |
| 採用 | 採用率 | 判断基準の明確さ |
| 定着 | 3ヶ月定着率 | マッチング精度 |
これらを月次で追い、変化を見れば、
どこを改善すべきかが一目で分かります。
例:
応募率が低い → 原稿を改善
面接率が低い → 返信導線を短縮
定着率が低い → 教育設計を見直し
データは“原因の地図”です。
👉 関連して、こちらの記事でも解説しています → 採用成功の8割は“設計”で決まる──現場が動く採用構造とは
改善策②:採用データを“見える化”するツール運用
難しいシステムは不要です。
中小企業なら、Googleスプレッドシート1枚で十分。
最低限の設計要素
- 媒体別応募数
- 面接設定数
- 採用決定数
- 定着確認(3ヶ月・6ヶ月)
この表を共有すれば、誰でも状況が把握できます。
さらに、条件付き書式やグラフ機能を使えば、
“数字が語る採用会議”が可能になります。
「勘ではなくデータで語る文化」が根づくと、
現場も経営も採用を“自分ごと化”できるようになります。
改善策③:採用データを“現場育成”に活かす
採用データは、教育にも連動します。
例:
・定着率が低い現場 → 受け入れ体制を再設計
・離職理由に「指導者との相性」が多い → 職長教育を強化
・若手が辞める時期が集中 → 面談テンプレートを導入
つまり、採用データは「採って終わり」ではなく、
“育てる”仕組みの起点になるのです。
このテーマは以下のnoteで詳しく解説しています:
👉 建設業専用 教育動画・面談テンプレート〜“見るだけ・話すだけ”で育つ仕組みをつくる〜
採用データで“採用単価40万円以下”を実現した会社
支援先のC社(内装業・社員22名)は、
広告会社にデータを任せきりで、毎年採用単価120万円。
データを自社管理に切り替え、毎月分析を始めたところ、
次のような成果が出ました。
- 応募経路別の成果を可視化 → 効率媒体を1社に絞る
- 面接辞退率を追跡 → 返信時間を平均12時間→3時間へ短縮
- 採用判断基準を数値化 → 採用率2.4倍
結果、
採用単価38万円/定着率90%を実現。
「数字で見ると、採用が“経営戦略”になる」と社長が言いました。
まさに、データが会社の意思決定を変えた瞬間でした。
採用データが“経営を導くコンパス”になる
これからの採用は、「感覚で動く」時代ではありません。
データがなければ改善できず、
改善できなければ競争に負ける。
採用データは、
・人をどう採るか
・誰を残すか
・どこを伸ばすか
──この3つの経営判断を導く“羅針盤”になります。
まとめ:採用の成功率を上げるのは「勘」ではなく「数字」
採用データを集める目的は、“管理”ではありません。
それは「次に打つ手を見つけるための情報」です。
採用は、勘でも根性でもなく、設計と分析の掛け算。
数字を見れば、改善の道筋が見えます。
今日からまず、“データで見る採用”を始めてみてください。
そこから、御社の採用は確実に変わります。
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