採用がうまくいかない会社に共通する“非効率の構造”を徹底解剖

頑張っても採れないのは「やり方」ではなく“構造”の問題
「応募が少ない」「面接が決まらない」「採用まで時間がかかる」──
多くの中小建設会社が口を揃えてこう言います。
でも、それは“努力不足”ではありません。
実は、採用の裏に潜む「構造のムダ」が原因です。
この記事では、採用活動にムダが多い会社の3つの共通点を解き明かし、
どうすれば“成果の出る採用”へ転換できるのかを、現場実例を交えて解説します。
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努力しているのに“結果が出ない採用”の現実
現場も人事も頑張っている。
求人も出している。面接もしている。
それでも「人が来ない・続かない」。
この“頑張っても報われない採用”ほど、現場の士気を下げるものはありません。
実際、私が支援に入る会社の9割が「努力型採用」をしています。
しかし、その努力の多くは“ムダ”に分類されます。
なぜなら、戦略ではなく作業で動いているからです。
広告費200万円で応募10人。元人事部長の苦い経験
私が人事部長だった頃、年間200万円の求人広告費を投じていました。
「広告を出せば応募が来る」という思い込みのもと、媒体を増やし、コピーを変え、バナーも更新。
結果、応募10人未満・採用0〜3人。
「なんでこんなにやってるのに成果が出ないんだ?」と毎月悩んでいました。
後から冷静に分析すると、採用が失敗していた理由は“やる気”ではなく、“仕組み”にありました。
つまり、「非効率な構造」を放置していたのです。
採用活動を“構造で見る”と、ムダが浮かび上がる
採用活動を業務フローで分解すると、
大きく5つのプロセスに分かれます。
- 求人原稿作成
- 応募受付・管理
- 面接設定・対応
- 採用判断・内定通知
- 入社フォロー
どこに“ムダ”が潜んでいるかを見極めるのが第一歩です。
では、多くの会社が陥っている「3つのムダ」を見ていきましょう。
共通点①:「人頼み」の採用体制
最も多いのは、“採用担当者の個人技”で回しているケース。
求人の出し方、応募の確認、面接日程──全部ひとりが抱えています。
これでは、担当者が休むと採用も止まる。
しかも、データが属人化して改善もできない。
採用は“人がやる仕事”ではなく、“仕組みが動かす業務”に変える必要があります。
👉 関連記事:求人会社に任せても採用できない理由──建設業が自社でやるべきこと
共通点②:「応募管理がバラバラ」
メール・電話・LINE・FAX…。
どこから応募が来たのか分からず、返信も漏れる。
面接日程を聞かれても、他の担当と情報が食い違う。
私もかつて、応募者への返信漏れで3名の候補者を逃したことがあります。
「返事がない=不採用」と思われたのです。
解決策はシンプル。
応募情報を一元管理し、
誰でも状況を確認できる状態を作ること。
ExcelでもGoogleスプレッドシートでも構いません。
大事なのは、“見える化”です。
👉 関連記事:採用がうまくいかない会社の共通点:「求人広告を出す前に考えるべきこと」
共通点③:「改善データがない」
最も深刻なムダは、「数字を見ていない」ことです。
・どの求人媒体が応募を生んでいるか
・クリック率・応募率・面接率・採用率
・離職率・定着率
これらが見えないまま、“なんとなく良さそう”で判断している。
つまり、感覚で採用しているのです。
結果、改善サイクルが回らず、毎回ゼロベース。
毎年同じ課題にぶつかり、同じ方法で失敗してしまう。
👉 関連して、こちらの記事もおすすめです → 採用成功の8割は“設計”で決まる──現場が動く採用構造とは
解決策①:採用を“見える化”する3つのツール設計
- 応募管理表
媒体・日付・応募者名・面接状況・結果を一覧化。 - 進捗ダッシュボード
応募率・面接率・採用率を自動グラフ化。 - 定着分析シート
入社3ヶ月・6ヶ月・1年での定着率を追跡。
これらを月次で見ることで、
「どこで落ちているか」が明確になります。
私が支援した会社では、
この仕組みを導入して採用単価が1/3に減少しました。
解決策②:“現場が参加する採用”に変える
採用を人事だけで抱えると、ムダが発生します。
なぜなら、**採用の本質は“現場との連携”**だからです。
- 現場リーダーが面接に同席する
- 採用基準を共有し、同じ視点で判断する
- 面接結果をフィードバックし、次回へ活かす
こうすることで「現場も採用を自分ごとに」できる。
これが採用文化を変える第一歩です。
👉 関連記事:現場が採用を理解した瞬間、応募が倍増した話
解決策③:採用DXで“属人化と手間”を排除する
採用DXと聞くと難しく感じるかもしれませんが、
建設業に必要なのは“シンプルDX”。
・Googleフォームで応募を自動収集
・スプレッドシートで進捗を共有
・Slackやメールで自動通知
これだけで、
人手のムダ・時間のムダ・情報のムダが一気に消えます。
中小企業でも十分に実現可能です。
むしろ、「デジタルが苦手な会社」ほどDXの効果は大きい。
👉 詳細はこちらの記事も参考に → 忙しくても採用が回る“自動化の仕組み”
採用を「構造」で整えた結果
私が支援したB社(建築・社員18名)は、
非効率な採用から仕組み化へ転換し、3ヶ月で以下の成果を上げました。
- 応募数:8件 → 56件
- 面接設定率:35% → 78%
- 採用単価:105万円 → 38万円
- 定着率:60% → 90%
経営者が口にした一言が印象的でした。
「今は“採用をやってる”感覚がない。勝手に進む仕組みになった。」
採用が人の手を離れた瞬間、現場が回り始めたのです。
採用に必要なのは「気合」ではなく“構造思考”
採用活動にムダが多い会社ほど、
「人が足りない」「時間がない」「やる気がない」と言います。
でも本当は、“仕組みがない”だけです。
採用は感覚ではなく設計、努力ではなく仕組み。
ムダを削ぎ落とせば、採用は必ず成果に変わります。
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