「即戦力がほしい」建設会社が陥る採用の罠。元人事部長が語る成功の本質

「即戦力を採りたい」は、いちばん危険な採用キーワード
建設業の経営者が採用相談で最初に言う言葉、
それが「即戦力がほしい」です。
でも、その“即戦力”――本当に存在しているでしょうか?
経験者は減り続け、優秀な人材は既にどこかに在籍中。
この記事では、「即戦力」という幻想を解き、
**“即戦力が来なくても成果を出す採用設計”**を、
私の実体験とデータをもとに解説します。
採用職人は建設業に特化した中小企業様向けに採用支援サービスを提供しています。
採用でお困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。御社の成長を加速させる機会を。
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① 🟧 「建設業の“即戦力市場”はすでに枯渇している」
経験者を奪い合う時代に突入
建設業界全体の有効求人倍率は5.45倍(国交省調べ)。
つまり、1人の経験者を5社で奪い合っている状態です。
特に現場監督・施工管理などの技術職は深刻で、
・40代経験者:取り合い
・50代経験者:健康・体力リスク
・20〜30代:そもそも母数が少ない
という三重苦。
“即戦力を採る”という発想自体が、
「存在しない人材を待ち続ける」戦略になっているのです。
② 🟧 「“即戦力採用”を続けた会社の現実」
採用単価は150万円、定着率は40%未満
ある中堅ゼネコンのデータによると、
「経験者採用」に絞った1年間の結果は次の通り。
| 区分 | 採用人数 | 採用単価 | 半年後の定着率 |
|---|---|---|---|
| 経験者採用 | 6人 | 約150万円 | 38% |
| 未経験者+教育制度あり | 15人 | 約45万円 | 82% |
即戦力を求めた結果、採用コストは3倍、離職率も倍増。
一方、“育成型採用”に切り替えた会社は、
定着と成長を両立できています。
③ 🟧 「“即戦力”の定義が曖昧すぎる」
「誰でもできる現場」は存在しない
「即戦力」とは何でしょう?
・資格を持っている人?
・現場を1人で回せる人?
・すぐ動ける人?
多くの会社が定義を曖昧にしたまま求人を出しています。
結果、応募者とのミスマッチが起こり、
「思っていた人材じゃない」と離職が発生する。
“即戦力”とはスキルではなく、環境適応力です。
つまり、“育てる環境が整っている会社”ほど、
結果的に即戦力が育ちやすいのです。
④ 🟧 「“即戦力が来ない”会社が取るべき3つの戦略」
育成前提で採用を設計し直す
STEP1:採用ターゲットを「育成可能層」に広げる
「3年以上経験」「資格必須」をやめ、
「半年で戦力化できる素養」を条件にする。
実際に、応募数は平均2〜3倍に増加します。
STEP2:OJT導線をテンプレート化する
・初日:先輩同行
・1ヶ月:作業リーダー補助
・3ヶ月:部分管理担当
この導線を用意するだけで、離職率は20%以上低下。
STEP3:求人原稿の言葉を“即戦力”から変える
「即戦力募集」ではなく、
「育てながら現場を任せたい」「先輩がマンツーマン指導」。
この言葉に変えた会社では、応募率が2.5倍になりました。
このステップの詳細は、こちらで詳しく解説しています →
採用成功の現場フローを可視化した記事はこちら
⑤ 🟧 「“育てる仕組み”を持つ会社が人を選べる時代に」
“即戦力”を待つ会社と、“即戦力を育てる会社”の差
今後、建設業界で生き残るのは、
“採用できる会社”ではなく“育てられる会社”です。
求人広告をいくら出しても、
「即戦力を求める会社」には応募が集まりません。
一方、
「現場で育ててくれる」「安心して働ける」会社には応募が集中します。
採用の競争軸は“給与”から“仕組み”に移っています。
だからこそ、教育×採用の一体設計が求められる時代です。
👉 詳細な求人改善テンプレートはこちら →
現場採用を劇的に変えた求人原稿の作り方
⑥ 🟧 「“即戦力が来なくても採用できる仕組み”を公開」
育成型採用設計のテンプレート付き
この記事で紹介した“即戦力採用の再設計”を、
noteでテンプレート付きで公開しています。
・育成型採用フロー図
・未経験者向け求人原稿テンプレート
・3ヶ月戦力化OJTマニュアル
・現場教育のチェックリスト
これらを実装するだけで、採用単価を半分・定着率を2倍にできます。
¥20,000の投資で、1回の採用コスト100万円を削減できる可能性があります。
⑦ 🟧 「採用は“気合”ではなく“仕組み”」
即戦力を“探す”より、“育てる構造”を持とう
“即戦力”を求める採用は、もう限界です。
これからは、「即戦力を生み出す会社」が勝つ時代。
育成できる仕組みを持てば、応募数も定着率も改善します。
採用は“気合”ではなく“仕組み”。
御社の採用も、今日から設計を変えていきましょう。

