「人が辞める会社」と「採用が強い会社」を分けるのは“現場の育成力”

採用しても「続かない現場」に共通すること

「せっかく採用しても、現場が育てられない」
そんな声を、私は現場と経営の両方から何度も聞いてきました。

面接では「やる気あります!」と目を輝かせていた新人が、
数週間後には無表情になり、いつの間にか来なくなる。

――これは、採用が失敗したのではありません。
現場マネジメントが“採用を育てる設計”になっていないだけです。

採用は「人を集めること」ではなく、「人を育てる起点」。
この視点を持つ会社ほど、採用コストが下がり、定着率が上がるのです。


■ 失敗談:「採用に力を入れたのに、現場で全員辞めた」

私が人事部長だった頃、年間200万円の広告費をかけ、
10人の応募→3人採用→半年後、全員退職。

原因を分析すると、求人内容でも条件でもなく、現場側の“教え方でした。
職長たちは「俺も昔は怒られて覚えた」と言いながら、
新人に対して同じように接していた。

でも今の若手は違います。
“怒られて伸びる”より“理解して動ける”環境を求める。

現場は努力していた。
でも、マネジメントが「教育」ではなく「指導」で止まっていたのです。


“採用の成果”は、現場のマネジメントで決まる

私がそこから学んだのは、
採用を成功させるには「現場が教育者になる」仕組みが必要だということ。

人事がどれだけ頑張っても、
現場が「人を育てる構造」を持たなければ、採用は根づかない。

つまり、採用のゴールは“入社”ではなく、“定着して戦力化するまで”。
現場マネジメントの本質は「工程を回すこと」ではなく、
「人を回す力=採用を育てる力」にあるのです。


採用を育てる“現場マネジメント設計”3ステップ

採用を“現場で育てる文化”に変えるには、
マネジメントを「仕組み」で再設計することが不可欠です。

ステップ①:現場リーダーに“採用の目的”を共有する

現場に「人を教える意味」を伝える。
「人手が増えるため」ではなく、「仲間を育てるため」と言葉を変えるだけで、
現場の意識が一気に変わります。

ステップ②:職長教育を“伝える技術”中心に再構築

技能ではなく、“伝わる言葉”の使い方を学ぶ。
「なんでできないんだ」から「どうすればできると思う?」へ。
職長教育を“心理型マネジメント”に変えることで、離職率が平均30%改善します。

ステップ③:教育を“見える化”する仕組みを導入

新人ごとの成長記録をチームで共有。
「教えた」「できた」「褒めた」を可視化すると、職長間の差が減り、
誰が教えても同じレベルで育つ現場になります。

この設計法は、こちらの記事でも解説しています →
新人が定着しない原因と解決のヒント


現場が育つ仕組みに変えた会社の成果

ある舗装会社では、上記の3ステップを導入。
結果、半年で以下の変化が起きました。

  • 3ヶ月離職率:41% → 9%
  • 職長の「教育自信度」:22% → 86%
  • 採用単価:平均120万円 → 38万円

特に印象的だったのは、
職長が「もう“怒る必要”がなくなった」と言ったこと。
“採用を育てる力”がついた現場は、自然と定着率が上がるのです。

さらに詳しい教育仕組みは →
建設業専用 教育動画・面談テンプレート


現場マネジメントが“採用を成功に変える”

採用が強い会社とは、現場が“育てる文化”を持っている会社。
そのためには、採用・教育・マネジメントを一本の線でつなぐ必要があります。

現場マネジメントを変えることは、採用を強くすること。
そしてそれは、会社の未来を安定させる「構造改革」です。

採用職人の採用支援サービス(https://recruit-worker.com/)では、
現場マネジメントと採用設計を連動させた「育成型採用構造」を構築しています。
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実践ノウハウはこちら:
👉 採用と教育を一貫設計する仕組みづくりnote