採用がうまくいかないのは「運」ではなく「設計不足」。採用を仕組みで動かす方法

「採用は運任せ」になっていませんか?

求人広告を出す。応募が来るかどうかは“神のみぞ知る”。
そんな“ギャンブル採用”を続けていませんか?

建設業の現場では、採用の設計図がないまま、毎年ゼロから同じ失敗を繰り返す会社が多くあります。
「人が来ない」「続かない」「また募集」──それは運が悪いのではなく、構造がないから。

この記事では、元人事部長として採用の仕組みづくりを実践してきた経験から、
「採用を偶然から必然に変える“設計図”の描き方」を具体的に解説します。

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🟧 Q:なぜ「求人を出しても採れない」会社が多いのか?

社長:うちも求人広告出してるけど、応募ゼロなんだよ。
人事:広告会社に相談してます?
社長:うん、“原稿を少し直しましょう”って言われたけど、結果は変わらず。

──この会話、どの会社でも聞きます。
でも本質は**原稿ではなく「設計図がないこと」**にあります。

採用設計図とは、簡単に言えば

「誰を、どこから、どんな導線で、どう惹きつけて採るか」
を体系化したもの。

これがない会社は、毎回“その場しのぎ”で採用を回している状態です。
建設で言えば「図面なしで建てている」ようなもの。


🟧採用の設計図がない会社に共通する3つの構造欠陥

採用が偶然頼みになっている会社には、決まって以下の3つの欠陥があります。

1. 採用目的が“人数”で止まっている

「3人欲しい」だけでは、どんな人を・なぜ採るかが不明確。
採用設計の第一歩は「経営目標と人材戦略をリンクさせる」ことです。
例:売上5億→7億を目指す→現場監督+3名=年間粗利+2000万円。

2. 求人導線が“点”で終わっている

求人広告を出すだけでは母集団はできません。
応募→面接→定着までの“導線設計”が必要です。
(導線が欠けると、応募は来ても途中で離脱します)

3. 採用PDCAが回っていない

建設現場では“工程表”があるのに、採用には“工程管理”がない。
毎年同じやり方を繰り返す=改善データが蓄積されない。

採用設計図とは、これら3つの欠陥を修復するための構造計画書なのです。

👉 関連:“採用しても辞める”建設会社が見落としている、人手不足の本当の理由


🟧Q:採用設計図って、どうやって描くの?

社長:採用設計図って言われても、図面なんか描けないよ。
人事:いえ、Excel1枚で十分です。

設計図=採用の全体像を見える化すること。
以下の5ステップで簡単に作れます。

ステップ1:経営目標を明文化する

「売上を上げる」ではなく、「施工班を3組に増やす」など、採用目的を経営単位で具体化。

ステップ2:理想人材像を定義する

“資格や年齢”よりも、“価値観と姿勢”を軸に。
例:「言われたことをやる人」ではなく「手順を考えられる人」。

ステップ3:求人導線を設計する

「どこで出すか」ではなく「どう見つけてもらうか」。
応募→面接→定着の3段階導線を紙に書き出す。

ステップ4:採用PDCAを設定

毎月「応募単価・通過率・定着率」を見直す。
数値を追うことで、再現性が高まります。

ステップ5:採用責任を明確化

社長・現場・人事の役割を分離。
「誰が何を決めるか」を明文化することでブレを防ぎます。

👉 参考:「求人広告会社任せ」から脱却!建設業が“自社で採用をコントロール”する3つの方法


🟧採用設計がある会社ほど“数字”で動く

採用設計図を持つ会社は、感覚ではなく数字で判断します。

指標設計図がない会社設計図がある会社
採用単価不明40万円以下
応募数不安定安定的に100名以上
採用数0〜3名10〜15名
定着率50%未満90%以上
広告費感覚で決定予算に連動

採用を「設計」で動かすと、経営会議でも“数字で話せる”ようになります。
そして数字は、人を納得させ、会社を強くします。

👉 関連note:採用を“経営指標”として管理する──建設業の人材戦略数字化


🟧Q:設計図をつくっても、運用が続かないんですが?

社長:一度仕組みを作っても、半年で止まるんだよね。
人事:それは「図面を動かす職人」がいないからです。

採用設計図は“作って終わり”ではなく、“回して完成”です。
採用担当がいない中小企業では、**「誰がPDCAを回すか」**を明確に決めておく必要があります。

私が支援したB社(社員15名)では、経理担当が「採用データ係」として月次集計を実施。
わずか半年で応募単価が6万円→2.8万円に改善しました。
数値化の仕組み=採用の自動化装置になります。


🟧採用工程表を作る

建設業では、工程表なしで工期を守る現場はありません。
採用も同じ。以下のような採用版“工程表”を作ってください。

フェーズ内容担当期間
計画採用目標・人物像を定義経営月初
設計原稿・導線設計人事+現場1週間
実行媒体出稿・応募対応人事1ヶ月
改善データ集計・見直し経理・人事月末

この「採用工程表」を運用すれば、毎年ゼロから採用を立ち上げる無駄が消えます。

👉 関連:若手の求人・採用がうまくいかない?建設業の中小企業が知っておくべき5つの改善ポイント


🟧採用“導線図”を描く

応募数を増やすコツは、「導線を見える化すること」です。
導線とは、求職者が会社を知り、興味を持ち、応募するまでの流れ。

求人原稿 → 自社HP → 応募フォーム → 面接 → 入社 → 定着

この流れのどこかに“詰まり”があると、応募が減ります。
導線図を描けば、改善点が一目でわかります。
まるで現場の“配管図”のように。

👉 参考:採用で“写真”が9割を決める──応募率を2.8倍にした「見せ方」の設計


🟧採用設計は「偶然の成功」を「再現可能な仕組み」に変える

採用設計図の目的は、「偶然」を「再現」に変えること。
成功を“運が良かった”で終わらせず、再現できる構造にする。

たとえば、応募が急増した原稿・面接担当・時期・職種などをすべてデータ化すれば、
翌年も同じ仕組みで成果が出せます。
これが採用PDCA=採用経営の自動操縦です。

採用を一度設計してしまえば、広告会社に頼らなくても人が集まる会社になります。


🟧採用は「設計力」で勝負が決まる

採用に強い会社は、運ではなく設計で動いている。
採用設計図がある会社ほど、
・応募が安定する
・採用単価が下がる
・定着率が上がる
──つまり、経営が安定する。

求人広告を出す前に、「設計図を描く」こと。
それが、採用を再現性のある経営資産に変える唯一の方法です。

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