建設業の求人原稿は“言葉”で変わる。応募を呼び込む心理設計の法則

原稿で“応募が2.8倍”になった会社の言葉選び

「応募が来ない」その原因、実は“言葉”にあります

「給与も待遇も悪くないのに、応募がない」──多くの建設会社が抱える悩みです。
原因は“条件”ではなく、“言葉”。
実際に原稿の見直しだけで応募率2.8倍を実現した事例から、建設業特有の心理設計を解説します。

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「待遇良い」「未経験歓迎」──もう誰も信じていません

求人原稿を見ていて、こんな言葉を何度目にしたでしょうか。
「未経験歓迎」「アットホームな職場」「頑張りを評価」──どれも“聞き飽きた言葉”です。

皮肉な話ですが、求人広告で「頑張り次第で稼げます」と書いてある会社ほど、稼げない現場が多い
実際、私が人事部長をしていた頃も、求人原稿の内容を変えただけで応募率が2.8倍に跳ね上がった経験があります。

その違いを作ったのは、「条件」ではなく「言葉の選び方」でした。


求人は“待遇”で勝負するもの

多くの建設会社が抱く誤解があります。
「給与を上げれば応募が増える」「福利厚生を並べれば人が来る」──そう考える経営者は少なくありません。

しかし現実は違います。
応募者の目線では、「待遇」は“最低限の条件”でしかない。
差を生むのは、“自分が働く姿を想像できるか”どうかです。

求人原稿は、給与表ではなく**「未来の自分を描く鏡」**。
そして、その鏡を磨くのが「言葉」なのです。


応募率を左右するのは“共感を生む表現”

では、どういう言葉が応募を呼ぶのか。
実は「スペック」ではなく「体温のある言葉」です。

たとえば、

❌ 「経験不問・しっかり稼げる現場です」
⭕ 「道具の名前から教えます。最初の1週間は先輩が隣につきます」

どちらの方が“働くイメージ”を持てるでしょうか?
後者には人の姿があります。建設業では特に、「自分を受け入れてくれる職場か」が応募の決め手になる。

その“心理の温度”を伝えるには、見出しやキャッチコピーの一行目が勝負です。


応募2.8倍の現場原稿

ある地方の建設会社(従業員25名)は、毎年人が来ないことに悩んでいました。
年間広告費200万円、応募10人以下、採用ゼロ。

原稿を見直したとき、私が最初に指摘したのは冒頭30文字。
旧原稿の見出しはこうでした。

「未経験でもOK!やる気次第で稼げる仕事」

これを次のように変えました。

「今日から“使われる側”を卒業。3年で職長を目指せる現場です」

数字やポジションを入れることで、働く未来が鮮明になる。
この修正を含め、構成・写真・一言コメントを整えた結果、応募数は2.8倍に。
応募単価も3万円以下に抑えることができました。

この実例の詳細はnoteにも掲載しています。
👉 採用で“写真”が9割を決める──建設業で応募率を2.8倍にした「見せ方」の設計


原稿を“心理設計”で組み立てる

原稿改善のポイントは、スペック→ストーリー→未来像の3段構成です。

① スペック:最低限の条件を正確に伝える

嘘や誇張をなくし、誰が見ても納得できる「数字」を書く。
例:「日給13,000円〜/残業月10時間以内」

② ストーリー:人の動きを描く

入社1年目の職人の一日や、現場の空気を短文で表現。
例:「朝は必ず全員で声かけ。小さなチームだけど、支え合う現場です」

③ 未来像:成長の道筋を見せる

3年後、5年後にどうなれるのかを具体的に。
例:「3年で現場を任される。資格取得も会社が全額負担します」

この流れを意識するだけで、“伝わる原稿”に変わります。

関連して、現場採用の流れを体系化した記事も参考になります →
👉 採用成功の具体ステップはこちら


見落とされがちな“写真と言葉”のセット効果

多くの原稿は、写真と文がバラバラです。
現場の写真が真剣な顔なのに、文章は「アットホーム」。これでは読者の感情が噛み合いません。

写真は“空気”を伝えるメディア。
たとえば、工具を磨く姿・休憩中に笑う表情──それだけで応募者の想像力が動きます。

言葉と写真の整合を取ること。これが「応募率を上げる最短ルート」です。

👉 建設業の技術者採用、なぜうまくいかない?現場視点で解く“人が集まる条件”


現場の“生声”を拾う

良い言葉は、会議室ではなく現場に落ちています。
「この会社で働いてよかったこと」を職人に聞くと、ほぼ全員がこう言いました。

「人間関係が楽」「休みが取れる」「道具が揃ってる」

つまり、“当たり前を言語化する力”が必要です。
求人原稿は飾り立てるより、等身大を整える作業に近い。

この考え方をさらに掘り下げたい方は →
👉 新人が定着しない原因は?建設業でよくある「定着の課題」と解決のヒント


採用コスト1/3、応募200人を実現

私が関わった企業では、原稿と導線を見直すことで応募200人/採用20人を達成。
広告費は年間200万円→60万円に削減。採用単価は40万円以下。

しかも、ハローワークもSNSも使っていません。
「求人広告会社任せにしない仕組み」を整えただけです。

詳細は下記noteで具体的に解説しています。
👉 「応募が来ない会社」がやっている致命的な3つの間違い


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まとめ:採用は“言葉”で動く

求人原稿の仕事は「人を口説く」ことではありません。
「自分の未来を見せてあげること」です。

建設業では、スキルよりも「空気」と「言葉」が人を動かす。
それを理解して原稿を作るだけで、応募は確実に増えます。

採用は気合でも予算でもなく、“設計と心理”の仕組みです。
その仕組みを自社で持てるように、今こそ一歩を。