応募が増えないのは“給料が低いから”ではない。求人原稿の盲点

「給与を上げても応募が来ない」──それ、本当に“金額のせい”ですか?
建設業の求人で「給与を上げたのに応募が増えない」と悩む会社は多いです。
でも実は、原因は“金額”ではなく“伝え方”。
この記事では、求職者心理と原稿設計の観点から、採用が安定する仕組みを解説します。
採用職人は建設業に特化した中小企業様向けに採用支援サービスを提供しています。
採用でお困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。御社の成長を加速させる機会を。
「給料を上げても応募が来ない」──現場あるあるの悩み
「給与上げたのに応募がゼロなんだよ」
建設業の社長仲間から、そんな話を毎月のように聞きます。
私も人事部長時代、日給を1,000円上げても応募は変わらなかった経験があります。
募集要項の数字をいじるたび、広告代理店からは「これで応募増えますよ」と言われた。
でも結果は、“応募ゼロのまま”。
その時、こう思ったんです。
「もしかして、求職者は“金額”じゃなく“意味”を見てるんじゃないか?」
給与で勝負して“負けた”現場
ある中堅の土木会社(従業員40名)。
人手不足に悩み、思い切って日給を13,000円 → 15,000円に引き上げました。
求人原稿の見出しはこう。
「高収入!日給15,000円〜/経験者優遇」
ところが、応募は前月とほぼ同じ──3件だけ。
さらに追い打ちをかけたのが、
「別の会社も同じ金額に合わせてきた」こと。
結果、**“給与競争の消耗戦”**に。
広告費は上がるのに、応募は増えず、定着率はむしろ下がるという悪循環でした。
求職者は“給与”より“確実性”を見ている
求職者の心理をデータで見ると、こうなります。
「応募時に最も重視するポイント」(建設系職種・2024年調査)
1位:仕事内容の明確さ(42%)
2位:人間関係・職場環境(29%)
3位:給与・待遇(16%)
つまり、「給与が良くても、“安心して働けるか”が見えなければ応募しない」。
たとえば、
❌ 「日給15,000円〜/経験者優遇」
⭕ 「日給15,000円〜/月給換算35万円以上・残業月10h以内・社用車支給」
数字を“生活の安心”として見せると、人は動く。
金額そのものではなく、“自分にとっての確実さ”を想像できるかが鍵です。
解決策①:給与は“数字”でなく“ストーリー”で伝える
求職者が知りたいのは、「その給与がどうやって上がるのか」。
つまり、成長の道筋を給与で語ること。
例:
「未経験スタートでも1年で日給2,000円アップ。昇給実績あり」
「2年目で月収40万円。職長手当+資格手当あり」
給与を“未来の約束”に変えることで、応募者の心理は動きます。
👉 “採用しても辞める”建設会社が見落としている、人手不足の本当の理由
解決策②:原稿の“給与欄以外”に信頼を置く
「給与はいいのに応募がない」会社ほど、
仕事内容の説明が抽象的すぎる。
たとえば、
「やる気次第で稼げる」
という言葉。
この一文は、求職者にはこう読まれます。
「安定して稼げないかも」
言葉を変えるだけで印象は逆転します。
「毎月固定+現場手当で安定収入。実働8時間で残業ほぼなし」
“給与”を信頼で裏打ちする。
これが原稿改善の第一歩です。
解決策③:“仕事のリアル”を描いて納得感を作る
求職者は給与だけではなく、“どんな日々を送るか”を知りたい。
原稿で仕事内容をリアルに伝えると、“給与の意味”が強くなる。
例:
「地盤改良工事。3人1組で重機を扱い、1日2〜3現場を担当。安全第一で無理なスケジュールなし」
給与が高い理由が“納得できる”と、安心して応募できる。
逆に、仕事内容が曖昧なままでは「怪しい」「続かなそう」と感じて離脱します。
解決策④:社内の“リアルな声”を載せる
給与を信じてもらう最強の方法は、第三者の言葉。
例:
「入社3年で職長になれた。給料よりも、仲間ができたのが一番嬉しい」
「最初は不安だったけど、今は家族を養える安定がある」
こうした一言を添えると、数字に“温度”が生まれます。
求人原稿は、スペックではなく信頼設計の媒体なのです。
解決策⑤:給与の“変化軸”を見せる
求職者は「今の金額」より「将来の見通し」で応募を決めます。
したがって、「上限」よりも「成長ステップ」を示すべきです。
「月給28万円→40万円(3年目平均)/昇給年2回」
この一文があるだけで、“希望”が伝わります。
数字を“変化の物語”として語る。
これが採用デザインの本質です。
関連して、採用成功の基本ステップはこちら →
👉 採用成功の具体ステップはこちら
解決策⑥:給与以外の「選ばれる理由」を3つ書く
給与以外に“なぜここで働く価値があるのか”を明確にする。
例:
- 社用車貸与で直行直帰OK
- チーム制で一人作業なし
- 家族参加の食事会あり
これが「待遇ではなく、文化で選ばれる会社」への第一歩です。
👉 「技術者が集まる会社」は求人原稿がうまいのではなく“仕組み”が違う
結論:給与は“信頼”の一部にすぎない
給与は“応募の入口”にはなっても、“採用の決め手”にはなりません。
数字よりも、“この会社で自分はやっていける”という安心。
それを作るのは、原稿の構成・言葉・リアル感です。
採用で成功する会社ほど、「給与ではなく仕組みで採用を安定させている」。
それが、今の時代の答えです。
給与以外の訴求で応募1.8倍・採用単価1/3
原稿の「給与以外の魅力」を明確化した企業では、
平均応募率**+80%、採用単価は従来の1/3(約40万円以下)**に。
給与よりも“安心と信頼”を設計した結果、
採用が安定し、離職率も減少しました。
採用職人の採用支援サービス
「採用職人の採用支援サービス」(https://recruit-worker.com/)では、
求人設計から原稿デザイン、応募導線までを一貫して支援しています。
御社の採用を“給与依存”から“構造設計型”へ。
今すぐ、現場採用の実務設計を体験してみませんか?
まとめ:「給与を上げるより、“意味”を伝えよう」
応募を増やすために、まずやるべきは“数字の上げ下げ”ではありません。
「なぜこの金額なのか」を伝えること。
求職者は金額の大小よりも、“この会社での自分”を想像したいのです。
採用は気合でも予算でもなく、“言葉の設計”で変わる。
御社の原稿にも、もう一度「意味のある数字」を描きましょう。

