「現場の職長」が採用を握ると人は集まる。建設業の新・人材戦略

現場から始まる“採用革命”──職長が担う新しい役割

「採用なんて人事がやるもんだろう」——かつてはそうでした。
しかし今、現場の職長が“採用担当”になる時代が来ています。

実際に、採用に成功している建設会社の多くは「現場が採用を引っ張っている」構造です。
職長が面接に立ち会い、職場のリアルを伝え、入社後の教育まで見守る。
その“現場主導の仕組み”こそが、応募と定着を両立させる最大の武器になっています。

なぜなら、求職者が知りたいのは「誰と働くか」だからです。
本記事では、元人事部長の視点から「職長が採用担当になる時代の採用改革」を実例とともに掘り下げます。

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採用は“本社の仕事”という固定観念

建設業では長年、「採用は人事がやるもの」「現場は関係ない」という考えが根強く残っています。
しかし、それが採用難を長引かせる最大のボトルネックです。

人事だけが求人原稿を作り、職長は「誰が来るか分からないまま」現場で受け入れる。
これではミスマッチが起きても当然。
「入社しても続かない」「思っていた仕事と違う」と辞めていく若手が増えるのは、構造の問題なのです。


現場が関わるほど“応募の質”も“定着率”も上がる

実際、私が人事部長だった頃も同じ課題を抱えていました。
年間200万円の広告費を使っても、応募10人以下、採用0〜3人。
そんな状況を変えたのが、現場を採用の中心に据える仕組みでした。

最初に取り組んだのは、「職長を採用メンバーに加える」こと。
面接の同席はもちろん、求人内容の確認にも職長の意見を反映。
「うちの現場は新人でも○○ができるようになる」「ここは厳しいけどフォローがある」など、
“現場の言葉”を求人原稿に反映しただけで、応募数が約3倍に増えたのです。

詳しくは以下の記事でも触れています。
👉 採用成功の具体ステップはこちら


職長が動いた会社は“人が育つ”

ある中堅の土木会社では、職長全員に「面接トレーニング」を実施しました。
最初は皆、「俺たちは職人だ、面接なんて無理だ」と言っていました。
ところが半年後、現場リーダーが新人の採用と教育まで一貫して関わる体制ができたのです。

結果は驚くほど明確でした。
応募率は1.8倍、定着率は70%→92%に上昇。
「俺が採った新人は辞めさせない」と話す職長が増え、現場全体の士気も上がりました。

このような“現場巻き込み型採用”は、組織文化を変える引き金にもなります。
関連して、「建設業の離職率を下げる会社の共通点」でも
現場主導の教育体制が定着率向上に寄与している事例を紹介しています。


職長が採用を担う3つのステップ

現場が採用に関わるには「仕組み」が必要です。
勢い任せではなく、再現できる採用導線を整えることが重要です。

ステップ①:職長を“採用メンバー”として位置づける

人事や経営陣が「現場も採用に責任を持つ」文化を明確にすること。
肩書きではなく“採用パートナー”として扱うだけで、意識は大きく変わります。

ステップ②:職長に“面接と教育”の型を共有する

面接質問リストや新人教育テンプレートを整えることで、現場も安心して関われます。
この型については以下で詳しく解説しています。
👉 建設業専用 教育動画・面談テンプレート

ステップ③:人事と職長が“採用のPDCA”を一緒に回す

「何人応募が来た」「どの現場で辞めた」などのデータを共有する仕組みを作りましょう。
これにより、採用が“現場業務の一部”として機能します。

関連して、「現場採用の本質をまとめた記事」も参考になります。


実績:採用は“現場×人事”で成功する

私が支援したある会社では、職長が採用に関わるようになってから応募が年間200人、採用20人に。
採用単価は40万円以下に抑え、施工量は2倍、売上は5倍に成長しました。
特別な広告を使ったわけではありません。

“現場が採用を担う仕組み”を整えただけです。
この成功モデルは再現性があります。
詳しくは以下のnoteで解説しています。
👉 「技術者が集まる会社」は求人原稿がうまいのではなく“仕組み”が違う


採用職人の支援:現場採用を強くする仕組みづくり

「現場も採用に関わらせたいけど、どう始めたらいいか分からない」
そんな経営者・人事担当者のために、
**採用職人の採用支援サービス(https://recruit-worker.com/)**では、
職長教育から求人設計、導線の最適化までを一貫支援しています。

現場主導の採用改革を進めたい企業様は、まず仕組み設計から見直してみてください。
現場を巻き込むことで、採用は“人事の仕事”から“全社の仕組み”へ変わります。


まとめ:採用は“気合”ではなく“仕組み”で回す

結局のところ、採用を成功させる鍵は「現場の協力」です。
人事だけが頑張っても、現場が受け入れる準備をしていなければ続かない。
逆に、現場が採用に関われば、教育も定着も自然にうまく回り始めます。

これからの建設業は、“職長が採用担当になる時代”。
その第一歩は、「現場を採用の仲間にする」ことです。

採用は、気合でも予算でもなく——仕組みで強くなる


📘 現場採用を仕組み化したい方へ
今すぐnoteで体系的に学べます:
👉 建設業の技術者採用、なぜうまくいかない?現場視点で解く“人が集まる条件”
👉 初心者採用に特化した 求人原稿テンプレート
👉 採用で“写真”が9割を決める──建設業で応募率を2.8倍にした「見せ方」の設計