なぜ「現場が採用を理解すると」応募が増えるのか?建設業の成功実例

「採用は現場には関係ない」と思っていませんか?

「採用なんて人事の仕事でしょ」「俺らが口出すことじゃない」——
多くの現場で聞く言葉です。

でも、ある日を境に現場の職長たちが採用を“自分ごと”として理解した瞬間、
応募が一気に倍増しました。

これは偶然ではなく、“構造を変えた結果”です。
今回は私が人事部長として関わった、
「現場が採用を理解した瞬間に起きた変化」をリアルなストーリーでお伝えします。

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なぜ“現場が採用を理解すると”応募が増えるのか?

採用というと、求人原稿・広告・面接など「人事の領域」だと思われがちです。
しかし、本当の意味で応募者の心を動かすのは——現場のリアルな声です。

求職者が知りたいのは「どんな人が働いているのか」「どんな現場なのか」。
つまり、現場が発信する言葉こそが最大の採用資産なんです。

ところが、多くの建設会社では職長や職人がその重要性を知らず、
採用情報が“他人事”のまま放置されています。
ここにこそ、採用難の根本原因が隠れています。


職長が“採用の意味”を理解した日のこと

数年前、私はある建設会社の採用改革を担当していました。
当時は年間200万円を求人広告に投じても、応募が月1〜2件。
現場では「どうせまた来ない」「すぐ辞める」の声が飛び交っていました。

そこで、私は**職長会議で初めて“採用講座”**を開きました。
ホワイトボードにこう書いたんです。

「採用は、現場を楽にする仕事です」

最初は笑われました。
「そんなキレイごと言っても、俺ら忙しいんだよ」
「採用なんて経営の仕事だろ」

しかし、数字を出して説明しました。
・職長が新人教育にかける時間=年間120時間
・1人辞めるたびに教育コストと生産ロス=約60万円
・採用が安定すれば現場の残業削減=月20時間減

この“採用=現場負担を減らす仕組み”という視点を示した瞬間、
職長たちの表情が変わりました。


現場が採用を理解できなかった“3つの理由”

なぜ、これまで現場が採用に無関心だったのか。
原因を振り返ると、次の3点に集約されました。

  1. 採用の目的が現場に共有されていない
     「人が足りないから募集している」では、目的が弱すぎます。
     現場は「また増えるのか」としか感じません。
  2. 採用情報が現場に届いていない
     求人内容を職長が見ていないケースも多く、
     「どんな人を採りたいのか」が不明確。
  3. 採用後のフォローが属人的
     教育が人任せになり、新人が孤立。
     結果、定着せず「採用しても意味がない」と感じる。

つまり、“採用”という言葉が現場では数字にも構造にも結びついていなかったのです。


現場を採用に巻き込む3つの方法

現場が採用を理解し、動き出すためには次の3ステップが効果的です。

ステップ①:職長に「採用コスト」を見せる

数字で示すこと。
「1人辞める=60万円の損失」という現実を理解してもらうだけで、意識が変わります。

ステップ②:現場ミーティングで“採用会議”を開く

採用情報(応募数・面接状況)を毎月共有。
「今月は2名応募、1名内定」といった報告をするだけでも、現場が“参加している実感”を持ちます。

ステップ③:職長が“面接同席”する文化をつくる

求職者が現場の職長と話せるだけで安心感が生まれます。
「ここでならやっていけそう」と感じてもらえる。
実際、私の支援先企業ではこの取り組みだけで応募が倍増しました。

👉 関連記事:現場採用の本質をまとめた記事はこちら


応募が倍増した背景に“職長の言葉”あり

この会社では、職長が求人原稿づくりにも関わるようになりました。
現場での一言をもとにコピーを書き直したんです。

「うちは厳しいけど、手を抜く職人はいない」
「初めてでも、1年で一人前になれる環境がある」

この“現場の言葉”を加えた瞬間、応募数は月3件→月6件に倍増。
さらに入社後の定着率も約90%に改善しました。

実際の原稿改善法は、こちらで詳しく解説しています。
👉 初心者採用に特化した 求人原稿テンプレート


職長を“採用担当者”に育てる

採用は人事の専門知識だけで回す時代ではありません。
今は“現場が採用を理解して動ける会社”が勝つ時代です。

採用職人の採用支援サービス(https://recruit-worker.com/)では、
職長教育・面接トレーニング・導線設計までを一貫して支援。
現場が採用を理解すれば、応募→面接→定着の流れが自然に強化されます。

👉 関連記事:採用成功の具体ステップはこちら


現場が採用を“理解する”ことが最大の改革

採用とは、求人を出すことではありません。
現場が「この仲間を迎えたい」と本気で思うことから始まります。

その理解が生まれた瞬間、
会社は“求人活動”から“人づくり”へと進化します。

結論はシンプルです。

採用を成功させたいなら、現場が採用を理解すること。

それが、応募を増やし、辞めない職場をつくる最短ルートです。


📘 学びを深めたい方へ:noteで体系的に学ぶ現場採用シリーズ