採用は“組織の仕事”である。現場主導で動かす採用プロジェクトの実践法

採用は“人事の仕事”ではなく“組織のプロジェクト”だ
「採用=人事担当者の仕事」——そう考える会社ほど、採用に苦戦しています。
なぜなら、採用とは人を“見つける仕事”ではなく、“巻き込む仕事”だからです。
建設業で本当に採用が強い会社は、採用を現場と経営をつなぐプロジェクトとして動かしています。
職長、経営者、事務担当、人事——それぞれが役割を持ち、共通のゴールを追う。
その結果、応募が増え、定着率が上がり、採用コストは1/3に下がる。
本記事では、私が人事部長として経験した「採用を現場プロジェクト化して成功した仕組み」を、
数字と実践法を交えて具体的にお伝えします。
採用職人は建設業に特化した中小企業様向けに採用支援サービスを提供しています。
採用でお困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。御社の成長を加速させる機会を。
採用成功企業の多くは“現場を巻き込んでいる”
人が集まる建設会社には、共通する特徴があります。
それは、採用が現場の仕事として機能しているということ。
たとえば、採用成功率の高い会社では次のような動きが見られます。
- 職長が面接に同席する
- 現場写真や動画を採用素材に活用
- 入社後の教育を採用チームが分担
逆に、採用に苦戦している会社ほど「採用は人事がやっておくもの」という構造が残っています。
この違いが、応募数・定着率・採用単価の差を生み出しています。
採用を“チーム化”した企業の成果
私が支援した中小建設会社10社のうち、採用を「チーム制」に移行した企業では次の変化が見られました。
| 項目 | 変化前 | プロジェクト化後 | 改善率 |
|---|---|---|---|
| 月間応募数 | 2.3件 | 5.8件 | 約2.5倍 |
| 内定承諾率 | 41% | 68% | +27pt |
| 定着率(1年) | 64% | 90% | +26pt |
| 採用単価 | 約120万円 | 約38万円 | 約1/3 |
このデータが示す通り、採用をプロジェクトとして動かすことで“属人的な成功”から脱却できます。
採用が「人事の作業」で止まっている構造的ミス
なぜ多くの会社はこの構造に気づかないのか。
理由はシンプルです。
人事が「採用する側」、現場が「採用される側」という分断があるからです。
その結果、
- 求人原稿に現場のリアルが反映されない
- 面接で期待と現実のギャップが生まれる
- 教育が属人的になり新人が離職する
つまり、「採用フローの分断」が、採用活動全体の非効率を生み出しているのです。
採用とは、現場と人事の協働プロセスでなければ成立しません。
採用を“プロジェクト”として運用する3つのステップ
採用を現場プロジェクトとして動かすための基本構造は、次の3ステップです。
ステップ①:採用の「ゴール」を明確化する
「何人採るか」ではなく「どんな人を採るか」。
ここをチーム全員で共有することが最初の一歩です。
この段階で現場の意見を必ず反映させましょう。
ステップ②:採用を“分業”ではなく“分担”に変える
人事は求人管理とデータ分析、
現場は写真・原稿チェック・面接対応、
経営は最終判断と採用計画。
それぞれが“役割を持つ一つのチーム”として動く。
ステップ③:採用会議を“定例化”する
週1でも月1でも構いません。
応募状況・面接率・辞退理由を共有するだけで、
現場と人事の温度差が消え、採用が“プロジェクト進行”になります。
現場主導で採用を動かした建設会社
A社(従業員45名)は、採用チームを立ち上げる前、
求人広告に年間150万円かけて応募わずか12人、採用3人。
しかし、「現場リーダー・事務・人事の3名で構成した採用チーム」を設置し、
毎月15分の採用ミーティングを実施したところ、半年で応募が34人、採用7人に。
驚くべきは応募者の質の向上です。
「この職長の現場で働きたい」という指名応募が増え、
現場のモチベーションまで上がりました。
詳しいプロセスは以下の記事でも解説しています。
👉 現場採用の本質をまとめた記事はこちら
プロジェクト運営の仕組み化
採用職人の採用支援サービス(https://recruit-worker.com/)では、
採用を「一人の担当者の仕事」から「チームで動かす仕組み」へ変える支援を行っています。
求人設計、会議テンプレート、導線設計、現場教育までを一貫サポート。
導入企業では平均応募数2.4倍、採用単価40万円以下を実現しています。
👉 関連note:求人広告会社任せにしない仕組み構築法
採用は“会社全体で進めるプロジェクト”へ
これからの建設業では、採用は単なる募集活動ではなく、経営プロジェクトになります。
人事、現場、経営が一体となり、「人を採る→育てる→残す」までを一つの流れで管理する。
その結果、採用活動はコストではなく投資へ変わります。
採用は“現場のプロジェクト”として動かす時代。
御社が次に進むべきフェーズは、まさにここです。
📘 学びを深めたい方へ:noteで体系的に学ぶ採用構築シリーズ

