人が続かない会社に共通する“採用の入口設計”の欠陥とは?

「辞める理由」は“現場の教育”ではなく“採用の入口”にある

「せっかく教えても辞めてしまう」「教育体制を整えたのに続かない」──
こうした声を、建設業の経営者から何度聞いたかわかりません。

しかし、私が人事部長として300人以上を採用・面接してきた経験から断言できるのは、
“辞める人”は採用時点で決まっているということです。

教育や育成の問題ではなく、
“入口設計”──つまり求人・面接・初期導線の設計にミスがある。

この記事では、早期離職率60%だった建設会社を
「定着率90%」に変えた採用設計の全プロセスを公開します。

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辞める人は“入口で違和感”を抱いている

人が辞める原因を追うと、多くの経営者は「教育」や「現場指導」に注目します。
しかし、離職者へのヒアリングをすると、驚くほど同じ言葉が返ってきます。

「思っていた仕事と違った」
「最初の印象と現場の雰囲気が違った」
「自分が向いてるか分からなくなった」

つまり、入社前に“違和感”を抱いていたのです。

これは教育以前の問題。
求人や面接で「会社と求職者の価値観がずれていた」ことが原因です。
“定着率の悪い会社”とは、採用の入口でフィルターが壊れている会社のことなのです。


教育より「採用入口」の改善が離職を防ぐ

厚生労働省のデータでは、新卒・中途問わず3年以内離職率は約35%
さらに、離職理由のうち約60%が「入社前の期待とのギャップ」に起因しています。

教育制度の有無よりも、
「入る前に何をどう伝えたか」が定着を左右しているという事実。

ある調査では、
採用プロセスを整えた企業は平均で離職率が43%減少したという結果も。
教育ではなく、“入口設計”が離職対策の本丸なのです。


「採用=応募集め」では終わらない

建設業では、採用担当者が「応募を増やすこと」をゴールにしてしまうケースが多い。
しかし本来の目的は、“長く働く人”を選び抜くことです。

求人会社任せで「未経験歓迎」「アットホーム」「チームワーク重視」など、
どこにでもある原稿を出していませんか?

これでは「どんな人を採りたいか」がぼやけてしまう。
結果的に、“辞める人”が入り込みやすい入口になっているのです。

👉 関連記事:「求人会社に任せても採用できない理由──建設業が自社でやるべきこと」


教育を強化しても定着しなかった理由

私が人事部長を務めていた建設会社でも、かつては教育制度に力を入れていました。
新人研修マニュアルを整え、先輩教育制度を導入。

しかし、それでも3ヶ月以内離職率は50%超え
辞めた人たちにヒアリングすると、こう答えたのです。

「思っていたより厳しかった」
「最初に言われた内容と違った」

つまり、教育の中身ではなく、“入口での期待値ズレ”が問題だった。

その後、求人と面接を再設計した結果、
応募数は減っても定着率が90%に向上しました。


解決策①:「求人=フィルター」として機能させる

求人原稿は“広告”ではなく“フィルター”です。
「来てほしい人」と「来てほしくない人」を明確に分ける構成にする。

ポイントは3つ:

  1. 正直に「大変な部分」を書く
  2. 現場の写真・1日の流れを具体的に出す
  3. “向いていない人”をあえて明記する

例えばこうです:

× 「未経験でも安心」
○ 「最初の3ヶ月は覚えることが多いですが、そこで続く人が一人前になります」

“リアルを見せる”ことで、入社前に辞退する人が増える=ミスマッチが減る
それが、定着の第一歩です。

(参考:👉 求人広告を出す前に考えるべきこと


解決策②:面接で「入社後のリアル」を伝える

面接で見ているのは“スキル”ではなく、“覚悟の温度”です。

私が導入したのは、「現場見学+リアルトーク面接」。
面接の半分を現場リーダーとの座談形式に変えました。

求職者には「仕事のリアル」を知ってもらい、
現場は「一緒に働きたいか」を肌で感じ取る。

これにより、採用後のミスマッチが激減
面接は“選ぶ場”ではなく、“相互理解の場”として設計すべきです。


解決策③:初日の“導線”が定着を決める

辞める人の多くは、入社初週に違和感を抱いている

だからこそ、“初日導線”がカギ。
私が実践した3つのステップ:

  1. 初日に「歓迎昼食」+チーム紹介
  2. 現場リーダーが直接「仕事の目的」を説明
  3. 3日間は「慣れる」ことを最優先

この“心理的安全設計”で、離職率が劇的に改善しました。

👉 関連記事:新人が定着しない原因と解決のヒント


採用入口の再構築

採用入口を変えるには、3つの仕組みを作る必要があります。

ステップ内容目的
① 求人設計求める人物像を定義し、原稿を再構築ミスマッチ防止
② 面接導線相互理解型の面接設計ギャップ解消
③ 初期導線初週の教育・受け入れ体制設計定着促進

この“3層構造”を整えるだけで、
「辞めない採用」が再現可能になります。


採用設計を変えた結果

採用設計を刷新した結果:

  • 応募数:前年比+120%
  • 採用数:3倍
  • 定着率:90%(1年以内離職5名→1名)
  • 採用単価:約1/3(120万円→40万円)

広告費を抑えながら“辞めない人材”を採れるようになりました。
教育制度を強化するより、入口を変える方が3倍効果が出るのです。


採用入口設計の具体テンプレート

実際に使える求人・面接テンプレートは、noteで公開中です。

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「定着率」は教育ではなく“入口設計”で変わる

辞める人を減らす鍵は、教育の中ではなく採用の入口にある

求人・面接・初日──この3つを設計すれば、
「採っても辞めない」採用が再現できます。

採用とは、“人を選ぶ”ことではなく、“長く働ける環境を設計する”こと。
教育に時間をかける前に、まず“入口”を整えましょう。


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