採用は“感覚”から“設計とデータ”の時代へ。建設業の採用を変える「見える化」の力

採用を「感覚」でやっていた時代は終わった

かつては「求人を出せば人が来る」時代がありました。しかし今、採用は“感覚”では勝てません。
応募が来ない、面接に来ない、定着しない──これらの課題の根底には、「採用の設計」と「データの見える化」が欠けていることが多いのです。

この記事では
採用を“設計とデータ”で再構築するDXの考え方を、建設業の現場実例を交えて解説します。

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建設業の採用現場に起きている“構造変化”

求人倍率は年々上昇し、2025年の建設業の有効求人倍率は4.2倍(厚労省調べ)。
つまり「1人を取り合う時代」です。

それでもなお、「求人広告に出せば応募が来る」と思っている経営者は少なくありません
実際には、求人広告会社に頼っても応募が増えない理由は明確です。
それは採用を“広告”として扱っているからです

採用は「集客」ではなく「設計業務」です。
導線を組み、データを見て、改善を回す。
この考え方がなければ、どれだけ広告費をかけても結果は安定しません。

関連記事 → 「求人会社に任せても採用できない理由──建設業が自社でやるべきこと」


感覚採用から見える“ムダと損失”

私が建設会社の人事部長をしていた頃、
年間200万円以上の求人広告費を使っても応募10人未満・採用0〜3人という時期がありました。

当時の課題は「データがない」ことでした。
・どの媒体から何人応募が来たのか
・どんな原稿がクリックされているのか
・面接率・採用率がどこで落ちているのか

これらが見えないまま感覚で動いていたのです。

しかし、データを整理しただけで驚く変化が起きました。
クリック率の高い原稿を分析し、応募導線を再設計した結果──
応募200人・採用20人、応募単価3万円・採用単価40万円以下を実現。

つまり、“感覚”から“見える化”へ切り替えた瞬間に採用は利益構造に変わったのです。


“採用がうまくいかない”会社の共通点

多くの会社に共通するのは、
採用データを「広告会社が持っている」状態です。

自社ではクリック数も応募経路も分からない。
そのため、改善の打ち手が「広告の変更」か「予算アップ」しかない。

これではいつまで経っても「採用ノウハウ」は会社に蓄積しません。

採用は外注するものではなく、自社の経営データの一部として扱うべきです。
“感覚採用”から抜け出せない企業ほど、広告会社任せの構造になっているのが実情です。

関連して、こちらの記事もおすすめです → 建設業の社長が知らない「求人広告会社の営業マン」が絶対に教えない真実


改善策①:採用を“設計業務”として再構築する

まず必要なのは、「採用担当=広告担当」という誤解を捨てること。
採用は“設計職”です。

採用設計の3ステップ

  1. データを整える
     媒体別応募数、クリック率、面接率、定着率を一覧化。
  2. 導線を設計する
     応募→面接→採用→定着までの各フェーズでボトルネックを特定。
  3. 改善を回す
     KPIを設定し、毎月PDCAを実行する。

この3つを回すだけで、広告費を増やさずとも応募数・採用数は安定します。

特に中小の建設会社では、エクセル1枚のデータ設計でも十分に機能します。

関連記事 → 採用がうまくいかない会社の共通点:「求人広告を出す前に考えるべきこと」


改善策②:採用DXで“属人化”を脱する

DX(デジタルトランスフォーメーション)というと難しく聞こえますが、
要は「データを集めて仕組みで回す」こと。

建設業の採用DXは、
・スプレッドシートで応募管理を可視化
・応募者データをグラフ化
・改善指標(応募→面接→採用率)を毎月共有

たったこれだけでも“採用の属人化”を防ぎます。

現場と人事が共通のデータを見れば、
「どの求人が効いているか」「どの面接官が結果を出しているか」も分かる。
つまり、採用がチーム業務に変わるのです。

この仕組みづくりの考え方は、こちらの記事でも解説しています → 現場が採用を理解した瞬間、応募が倍増した話


改善策③:データを“経営指標”として扱う

採用データは「人事の数字」ではありません。
それは、会社の未来を示す経営データです。

たとえば、

  • 応募単価の上昇 → 市場競争力の低下
  • 定着率の低下 → 教育設計の欠陥
  • 面接辞退の増加 → 求人の魅力訴求不足

これらはすべて経営判断の材料になります。

「採用に強い会社」は、これらを経営会議で扱います。
数字で語れる採用担当者を育てることが、採用DXの第一歩です。


採用は“経営デザイン”になる

これからの採用は、単なる人集めではありません。
採用=経営をデザインする仕事です。

データを元に採用を設計し、
仕組みで現場を動かす──それが次世代の“採用力”です。

この考え方を体系的にまとめたnoteはこちら:
「採用がうまくいかない会社の共通点」
「求人広告会社に頼ってもうまくいかない理由と“自社で採用を強くする方法”」
「“採用で苦戦する会社”が必ずやっていない3つのこと」

そして、採用の仕組みを現場レベルで導入したい方は、
こちらの実践noteもおすすめです:
建設業専用 教育動画・面談テンプレート
初心者採用に特化した 求人原稿テンプレート


まとめ:採用は「気合」でも「広告」でもなく、“仕組み”で動かす

「採用が難しい時代」と言われますが、
実際に成果を出している会社は、“データを設計できている”会社です。

採用はもう、感覚では勝てません。
データを集め、設計を組み、改善を回す。
この3つのサイクルが回り出した瞬間、
採用は「コスト」ではなく「利益を生む仕組み」に変わります。


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