10年後の建設業採用を生き抜く。人口減少時代の“採用設計思考”

「若手がいない」は嘆きではなく“設計ミス”のサイン

「最近、20代の応募が全然来ない」
「うちの平均年齢、50代を超えた」
——これは全国の建設会社で、もはや“共通言語”です。

けれど、数字を追えばわかります。若手が減っているのは事実
しかし、“若手が来ない”のは仕組みの問題です。
私は元・建設会社の人事部長として、
求人広告費200万円→応募10人以下という時期から、
設計を見直して応募200人・採用20人を実現しました。

この記事では、人口減少の波を受け止めながらも採り続ける会社の条件を、
データと現場の実例をもとに解説します。

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10年後、“採用できる会社”は1割しか残らない?

国立社会保障・人口問題研究所によると、
日本の15〜29歳人口は2035年に約20%減少する見込み。
つまり、建設業に流入する若手の母数が2割減るということです。

さらに、厚生労働省のデータでは建設業の平均年齢47.8歳
技能者の3人に1人が55歳以上という現実。
このままでは、“採用できない会社”が圧倒的多数になるのは必然です。

では、なぜ同じ地域・同じ条件で、“採れる会社”が一部存在するのでしょうか?
答えは、「採用を“文化”として仕組みにしているかどうか」にあります。


人口減少×価値観変化=“採用のルール”が変わる

10年前と今とでは、若者の“仕事選びの基準”がまるで違います。

1. 「働きやすさ」が給与よりも上位に

内閣府の調査によると、20代の男性の約67%が「人間関係・環境」を最重視
給与よりも「誰と働くか」「成長できるか」を見ています。

2. 体験から選ぶ時代

「見学したら印象が変わった」「動画を見て安心した」という声が多い。
つまり、“応募の前に体験”を提供する会社が選ばれています。

3. SNSより“リアルな声”を重視

検索で「○○工務店 評判」「社員インタビュー」を探す傾向。
“会社発信”より、“社員発信”を信頼する。

これらを踏まえると、これからの採用戦略は広告設計ではなく“体験設計”が中核になります。

(関連: 「採用が経営のボトルネックになっていませんか?」


「若手は来ない」と言われた会社が、応募を10倍にした話

私の前職の建設会社も、若手応募ゼロの状態から始まりました。
ある時、現場の職長が言いました。

「若いやつは“キツい”って言うけど、うちは“怖くない現場”だって伝わってないだけですよ。」

そこで取り組んだのが3つ。

  1. 求人文を“募集”から“紹介”へ変える
     →「求める」より「伝える」。
     →「うちの1日の流れ」「新人が成長した瞬間」など、具体エピソードを中心に。
  2. 現場見学を“体験型”に
     →作業を見せるだけでなく、工具・休憩所・昼食なども紹介。
     →“怖くない現場”を体感させる。
  3. 面談を“会話型”に
     →「なぜ建設を選ばないのか?」から始める。
     →相手の価値観を引き出し、「どんな環境なら働けるか」を共に考える。

結果、半年で応募200名。採用単価は40万円以下定着率は3倍に改善。
“若手がいない”のではなく、“若手に届いていなかった”だけでした。

(関連記事: 「応募が来ない会社」がやっている致命的な3つの間違い
(参考: 新人が定着しない原因は?現場でよくある課題と解決のヒント


“10年後も採れる会社”をつくる3ステップ

ステップ1:採用を「経営の仕組み」に組み込む

  • 採用を“毎年の課題”ではなく、“経営計画のKPI”にする
  • 目標:応募→面談→採用→定着のプロセスを数値で管理
  • 採用DXで応募・連絡・進捗をデータ化

ステップ2:「見せ方」を科学する

  • 写真・動画・ストーリーで“現場のリアル”を発信
  • 写真9割の法則:見せ方を変えるだけで応募率2.8倍(実測値)
    参考: 採用で“写真”が9割を決める

ステップ3:「教育の仕組み」で定着を支える

  • “見るだけ・話すだけ”で育つ教育動画を導入
  • 面談テンプレで“伝え方のばらつき”をなくす
  • 現場の負担を減らす=教育が続く

参考note:

(関連: 「人がいない会社に未来はない──建設業が売上を伸ばすための人材戦略」


採用を“文化”にした会社の成果

採用を仕組み化した会社では、数字が変わります。

  • 応募数:月平均2件→25件
  • 採用単価:150万円→40万円以下
  • 3ヶ月定着率:50%→90%
  • 売上:人員増により5倍成長

これらは“奇跡”ではなく、“文化の設計”による再現可能な成果。
現場・人事・経営が一体化して採用を“当たり前の業務”にした結果です。

(関連記事: 「採用で苦戦する会社」が必ずやっていない3つのこと


「若手が減る時代」に強い会社がやっていること

若手採用で成果を出す会社は、「育てる前提」で採る会社です。
私のnoteでは、そうした会社が使っているテンプレートと設計思考を公開しています。

note販売価格:¥4,980〜¥20,000
公式ページ(note)https://note.com/recruit_worker


【まとめ】“若手不足”を言い訳にしない会社が生き残る

10年後、若手が減るのは避けられません。
しかし、“採れない”は避けられます。

その違いを生むのは、

  • 採用を設計する力
  • 教育を仕組み化する力
  • 現場と共有する文化

若手が減る未来に備えるとは、“採る努力”ではなく、“続く仕組み”を整えること。
採用は気合でも予算でもなく、構造設計です。

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“10年後も採れる会社”を、御社の現場から育てていきましょう。

(関連記事: 「応募が来ない時代に、なぜあの会社だけ採用できるのか?」