採用単価の“正しい計算式”を知らない会社はお金を失っている

採用単価を“なんとなく”で見ていませんか?
──「広告費は毎月かけてるけど、成果が合ってるのか分からない」
この相談、建設業の採用現場で本当によく聞きます。
実際、年間200万円かけても「応募10人・採用ゼロ」なんて会社も珍しくありません。
一方で、同じ業種・同じ地域でも、採用単価40万円以下で毎月採れている会社もあります。
両者の違いは、“感覚ではなく数字で採用を見ているかどうか”。
採用単価(=1人採用するのにかかった総コスト)を正しく把握していないと、
いくら改善策を打っても効果検証ができず、ムダな費用が積み上がっていくのです。
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採用単価とは?──基本の計算式
まず押さえるべきは、採用単価の定義です。
採用単価 = 採用費用 ÷ 採用人数
単純ですが、この“採用費用”に何を含めるかがポイントです。
採用費用の内訳(例)
- 求人広告費
- 採用サイト・LP制作費
- 面接交通費・人事担当者の工数
- 面接官・現場管理者の稼働コスト
- 外注費(エージェント・制作会社など)
- 入社後フォロー研修費
たとえば、1年間で広告に150万円、採用担当者の人件費が50万円分、面接や研修にかかったコストが50万円なら、
総採用費は250万円。
もしその年に5人採用していれば、
採用単価=250万円 ÷ 5人=1人あたり50万円
これがあなたの“採用単価”です。
採用単価の目安──建設業ではいくらが妥当?
厚生労働省の「令和6年版 労働経済白書」やリクルートワークス研究所の調査によると、
建設業の採用単価は平均65〜120万円が全国相場です。
ただし、ここに大きな差が出ます。
| 会社タイプ | 採用単価の目安 | 傾向 |
|---|---|---|
| 求人広告任せ | 100〜150万円 | 応募数が少なく、広告費依存 |
| 自社設計型 | 30〜60万円 | 応募導線・面接改善で効率化 |
| エージェント依存 | 150〜300万円 | 即戦力中心、継続採用に不向き |
つまり、“自社で採用の仕組みを持つかどうか”が、採用単価を左右する最大の分岐点です。
私の会社では、仕組み構築後に 採用単価を150万円 → 40万円以下 に改善できました。
【分析】採用単価が高止まりする3つの原因
① 広告費の「垂れ流し」構造
媒体ごとの効果を検証せず、前年踏襲で契約更新している。
「なんとなく出しておく」が最も危険です。
② 人件費を“見えないコスト”にしている
人事担当者の時間・現場対応の負荷を計算に入れていない会社が多い。
しかし、面接・調整・管理の時間も立派なコストです。
③ 採用後の離職を“費用ロス”として見ていない
入社してもすぐ辞めれば、実質採用単価は倍増します。
採用は「採る」ではなく「残す」まで含めてROIを計算すべきです。
この構造は、「“採用しても辞める”建設会社が見落としている、人手不足の本当の理由」でも詳しく解説しています。
【実話】採用単価を40万円以下に下げた“3つの改善策”
私が在籍していた建設会社では、
最初の採用単価は 約150万円(応募10人→採用1〜2人)。
そこから半年で 40万円以下 に改善できた理由は、
「採用を“費用”ではなく“仕組み”として再設計した」からです。
改善①:応募導線の一本化
媒体を複数出すよりも、“自社求人ページ”に集約。
無駄な掲載を削減し、応募者管理を一本化しました。
改善②:現場協働で面接効率をUP
人事が一次、現場が最終という“分断型”をやめ、
現場担当者を面接初期から参加させました。
結果、面接通過率が2倍、辞退率が半減。
改善③:採用データの「見える化」
媒体別応募数・通過率・定着率を月ごとにスプレッド管理。
効果の低い媒体を切り、半年で広告費を30%削減。
これにより、応募200人/採用20人という成果を実現しました。
【実践ステップ】採用単価を下げるための3つの数字管理
① 応募単価(CPA)を出す
応募単価 = 総広告費 ÷ 応募人数
たとえば50万円で50件応募が来たら、応募単価は1万円。
媒体比較や改善効果を測る基本指標です。
② 採用単価(CPO)を出す
採用単価 = 総採用費 ÷ 採用人数
広告費だけでなく、工数や研修費を含めるのがポイント。
③ 採用ROI(投資対効果)を出す
採用ROI=採用後1年の利益貢献額 ÷ 採用単価
たとえば採用単価40万円で、1年後の利益貢献が120万円なら、ROI=3。
これが1を下回ると、「赤字採用」です。
採用費を“コスト”から“投資”に変える考え方
採用単価を下げようとすると、多くの会社が「費用削減」ばかりを考えます。
でも本質は逆です。
ムダを減らし、成果を最大化する“投資設計”ができているか。
たとえば、応募導線改善に10万円使っても、
採用1人あたりが30万円安くなるなら“投資”です。
採用を数字で語れない会社は、採用が“浪費”になります。
数字で語れる会社は、採用が“資産”になります。
この考え方を体系化したのがこちら →
成果:数字で変わった採用文化
採用単価を可視化した企業では、
- 媒体費が平均30%削減
- 面接工数が25%減
- 定着率が20%アップ
といった成果が出ています。
数字で採用を語れるようになると、現場・経営・人事の共通言語が生まれます。
これが“採用文化の成熟”です。
まとめ:採用単価は「計算式」ではなく「経営指標」
採用単価は、ただの数字ではありません。
会社の採用力と仕組みの成熟度を映す“鏡”です。
「感覚採用」から「数値採用」へ。
それが、採用を黒字に変える最初の一歩です。
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参考統計
厚生労働省「令和6年版労働経済白書」によると、
中小企業の採用単価平均は約88万円。
採用効率が高い企業では平均48万円以下まで圧縮可能と報告されています。
(出典:https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/roudou/)
この記事のまとめ
- 採用単価=採用費 ÷ 採用人数で算出できる
- 建設業の相場はおおむね50〜120万円
- 単価を下げるには“仕組み”と“数値管理”が不可欠
- 採用ROIを把握すれば、採用は“費用”ではなく“投資”になる
──採用の成否は、「数字を見ているかどうか」で決まる。

