メンター制度で若手が辞めなくなった会社の工夫

定着支援は“ツール導入”ではなく“制度設計”から始まる
「教育ツールを導入したのに、辞める社員が減らない」
最近、建設業界でも「新人教育アプリ」「メンター制度」などの導入が進んでいます。
しかし、導入した会社からよく聞くのが──
「研修ツールは入れたけど、若手が続かない」
「メンター制度を作っても、形だけになってしまう」
実はこれ、よくある“定着支援の落とし穴”です。
定着支援は、ツールや制度そのものではなく、設計の「目的」と「運用」にある。
ツールを導入するだけでは、現場の“信頼の仕組み”にはなりません。
逆に、明確な制度設計を持つ会社ほど、ツールが活きてくるのです。
定着支援を成功させる「3層設計」
定着支援とは、「採用した人を育て、支え、評価し、定着させる」一連の仕組みです。
私が人事部長として離職率を40%→15%に下げた際の制度設計は、
以下の3層構造で考えていました。
① 【信頼層】メンター制度で“心理的安心”をつくる
まず最初に必要なのは、「誰に相談すればいいか」が明確な状態。
若手社員の離職理由の第一位は「孤立感」だと言われています。
リクルートワークス研究所の調査でも、
「職場に気軽に相談できる先輩がいる」社員の定着率は、
そうでない社員の約1.8倍になることが分かっています。
(出典:リクルートワークス研究所『職場定着の実態調査2023』)
メンター制度設計のポイント
- 配属1年目に専任メンターを設定(年齢差10歳以内が理想)
- 面談頻度は月2回(業務相談+雑談ベース)
- テーマ例:「仕事の悩み」「人間関係」「目標設定」
面談内容は簡単なフォーマットに残し、
人事が「温度チェック」を行う。
この“心の見守り”が、離職予防の第一歩になります。
② 【成長層】教育制度で“できる実感”を与える
人は「成長実感」がないと続きません。
特に建設業の若手は、現場で叱られる機会が多く、
「何をどう頑張ればいいか分からない」と感じやすい。
そこで必要なのが、育成の“見える化”制度です。
教育制度設計の流れ
- 職種別スキルマップを作る
(例:施工管理・現場職・営業職) - レベル定義を明確化
(例:レベル1=指示理解、レベル2=小タスク完了、レベル3=独力対応) - 月次チェック表で進捗確認
(メンターまたは上司が“できた項目”に印を付ける)
この「できる可視化」によって、社員が小さな達成感を積み重ねられる。
私の経験では、この仕組みを導入してから新人の3年定着率が1.6倍に向上しました。
③ 【評価層】“努力が報われる構造”を作る
努力しても評価されない環境では、人は長く続きません。
多くの建設会社では、評価が「上司の主観」に頼りがちです。
そこで私が導入したのが、「成長基準と定着基準を分けた評価制度」。
| 評価軸 | 内容 | 評価例 |
|---|---|---|
| 成長基準 | スキル・成果・責任範囲 | 施工品質・段取り力など |
| 定着基準 | 行動姿勢・協調性・安全意識 | 報連相・現場貢献・メンバー支援 |
この“行動面の評価”を取り入れることで、
「技術が未熟でも頑張る人」が報われるようになりました。
結果、離職の多かった若手層に“続ける理由”が生まれたのです。
実例:制度をつないだら離職率が半減
ある地方の建設会社(社員50名)は、
教育ツールを導入したものの、離職率が40%を超えていました。
分析の結果、
- メンター制度が曖昧(誰が面倒を見るか不明)
- 教育内容が属人的(上司によって教え方が違う)
- 評価の基準が不透明(「頑張っても評価されない」)
という“制度の断絶”が原因でした。
そこで、3層設計を導入。
| 層 | 施策 | 運用ポイント |
|---|---|---|
| 信頼層 | メンター制度 | 月2回の1on1+報告書 |
| 成長層 | 教育スキルマップ | 習得段階を月次チェック |
| 評価層 | 行動評価シート | 半期ごとに面談反映 |
1年後、離職率40%→19%に改善。
特に「相談できる先輩がいる」と答えた若手社員が大幅に増加しました。
このテーマをさらに深掘りしたい方は、
「建設業の離職率を下げる会社の共通点とは?定着率を上げる採用と育成の仕組み」
“採用しても辞める”建設会社が見落としている、人手不足の本当の理由
もご覧ください。
定着支援を“文化”に変える3つのコツ
制度は作って終わりではなく、文化にまで落とし込むことが大切です。
- 制度の目的を全員に伝える
→「新人を守るため」ではなく「みんなで支える会社文化」を明確に。 - ツールはシンプルに保つ
→ Excel1枚でも運用できる形から始める。 - 人事が“運用監督”になる
→ 放置せず、毎月フィードバックして“制度の呼吸”を保つ。
この3点が揃うと、「仕組みが人を守る会社」に変わります。
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私のnoteでは、実際に成果を上げた
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まとめ:「ツールではなく、設計で人は続く」
離職を防ぐのは“高機能ツール”でも“豪華な研修”でもありません。
大切なのは、
- 誰が支えるか(メンター)
- どう育てるか(教育)
- どう報いるか(評価)
この3つを連動させる設計です。
仕組みが整えば、現場の空気が変わり、
社員が「ここで働いていてよかった」と思える。
それが、本当の定着支援です。
採用職人からのメッセージ
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参考データ出典
- 厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和6年版)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_13241.html - リクルートワークス研究所「職場定着の実態調査2023」
https://www.works-i.com/research/

