定着率を上げる会社は“採用の基準”を変えている

定着率を上げる会社は“採用の基準”を変えている

「また辞めた…」──採用のどこに問題がある?

「いい人を採ったつもりなのに、3ヶ月で辞めた」
「面接では元気だったのに、現場で続かない」

これは建設業の中小企業で最もよく聞く悩みです。

私も人事部長時代、同じ苦しみを味わいました。
求人広告に数十万円をかけ、面接を重ね、やっと採用した人が半年も持たない。

その時、ようやく気づいたのです。
“採用の失敗”は、採用基準のズレから始まる。


採用基準が「スキル中心」だと定着しない理由

建設業では、「資格を持っているか」「経験年数は何年か」を基準に採用しがちです。
しかし、定着率を決めるのは“スキル”ではなく“相性と価値観”です。

厚生労働省の調査によれば、建設業の若手離職理由の上位は

  • 職場の人間関係
  • 仕事内容のギャップ
  • 将来への不安

(出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和6年版)」

つまり、仕事を辞める理由の8割は“技術”ではなく“気持ち”にある。
にもかかわらず、多くの企業は「即戦力・経験者」という“スキル基準”で判断している。

このミスマッチこそが、「採ってもすぐ辞める」最大の原因です。


定着する人を採る「採用基準3ステップ」

では、定着率を上げるためには、どんな基準を持つべきなのか。
私が実務で使っていた3ステップを紹介します。


ステップ①:「スキル基準」ではなく「価値観基準」に変える

採用の最初の軸は、“何ができるか”ではなく、“何を大切にしているか”。

例:

  • スキル基準:「CAD操作ができる」「現場管理経験3年以上」
  • 価値観基準:「チームで現場を回せる」「報告・相談を怠らない」

実際、現場で続く人は「誰とでも協力できる」「責任感がある」タイプです。
こうした“行動特性”を見抜く質問を面接に組み込むのが第一歩。

例)

「最近、現場で誰かを助けた経験はありますか?」
「どんな時にやりがいを感じますか?」

これで、応募者の“行動価値観”が見えてきます。


ステップ②:「文化適合度」を測る質問を設計する

離職防止の最大ポイントは「文化との相性」です。

たとえば、

  • 「体育会系の現場」なのか
  • 「穏やかで協調型」なのか

この雰囲気を見誤ると、スキルが高くても続かない。

私の会社では、面接でこう聞いていました。

「自分が一番居心地が良かった職場はどんな雰囲気でしたか?」
「逆に、働きにくいと感じた職場は?」

この2問だけで、“うちの文化に合うかどうか”がかなり見えます。

文化のズレを防げば、離職率は自然に下がる。


ステップ③:「採用後の成長意欲」を数値化して判断

採用時に「やる気あります!」という言葉だけを信じてはいけません。
人は、“成長の見通し”が立つ環境でなければ続かない。

だから私は、面接で以下の3問を必ず聞いていました。

  1. 「今後1年でどんな力をつけたいですか?」
  2. 「それを実現するために、会社にどんなサポートを求めますか?」
  3. 「理想の上司像は?」

この回答を10点満点で評価し、
「自走意欲スコア」「支援期待度」「相性指数」として管理。

スコアが高い人ほど、3年以上の在籍率が明確に高かったです。


実例:採用基準を見直して離職率42%→15%

ある中堅建設会社では、採用の判断基準を
「資格・経歴」から「行動特性・価値観」に切り替えました。

面接官全員で「定着する人の共通点」を分析したところ、

  • 報連相が早い
  • 他人のせいにしない
  • 素直に質問できる
    この3つが浮かび上がった。

以降、面接でこの特性を測る質問を導入。

1年後、離職率42%→15%へ。
「採用した人が続くようになった」と社長が喜んでいたのを今でも覚えています。


このテーマに関連して、
「資格保有者を採れば安心」は間違い。建設業が本当に見るべき採用基準とは
「求人会社に任せても採用できない理由──建設業が自社でやるべきこと」

こちらの記事も参考になります。


採用基準を“共有できる言語”にする

採用担当と現場責任者の間で「いい人」の定義がバラバラだと、採用は安定しません。

そのために私が導入したのが「採用判断シート」。

項目例:

  • 価値観の一致度(10点)
  • 協調性(10点)
  • 素直さ(10点)
  • 成長意欲(10点)
  • 技術スキル(10点)

このように5項目×10点=50点満点で評価。
点数が合わない場合は、「なぜこの点差が出たのか」を話し合う。

すると、現場と人事の目線が一致し、
「定着する人を見抜く目」が組織全体で磨かれていきます。


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私のnoteでは、実際に離職率を下げた
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1人の採用ミスを防げば、すぐに元が取れる内容です。


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まとめ:「採用のゴールは“入社”ではなく“定着”」

採用の目的を“入社”に置いている会社ほど、離職に悩みます。
逆に、“定着”を採用のゴールに設定する会社は、採用の基準が変わります。

採用とは、技術ではなく文化との相性を見抜く経営行為

「どんな人が続くのか」を言語化し、
それを基準に面接・評価・教育をつなげる。

それが、離職率を下げ、組織を強くする“採用設計”の本質です。


採用職人からのメッセージ

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参考データ出典