【採用DX】データで見れば採用の次の一手が見えてくる

「なんとなく良さそう」で採用していませんか?

面接で「印象がいいから」「現場が気に入っているから」と採用を決めたものの、数ヶ月で退職。
──そんな経験、ありませんか?

建設業の採用現場では、“感覚採用”が今も主流です。
履歴書を見て、話してみて、なんとなくOK。
結果、「なぜうまくいかなかったのか」がわからず、同じ失敗を繰り返す。

これは、人のせいではありません。
原因は、“採用を分析する仕組み”がないからです。

いま求められているのは、「数字で採用を運用する力」。
つまり、データドリブン採用です。

採用職人は建設業に特化した中小企業様向けに採用支援サービスを提供しています。
採用でお困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。御社の成長を加速させる機会を。


勘に頼る採用が失敗を生む3つの構造

私が以前関わった建設会社B社では、3年間で応募300人中、定着はわずか12人
社長は「最近の若者は続かない」と嘆いていましたが、実際に採用データを分析してみると違いました。

項目数値
応募数年間100名
面接通過率65%
入社後3ヶ月以内離職率58%

問題は“入社後”ではなく“選考基準”。
「誰を採用して、なぜ辞めたのか」が可視化されていなかったのです。

この会社が抱えていた構造的な課題は3つ。

  1. 採用KPIが存在しない
     → 「何を改善すべきか」が不明確。
  2. 採用データが蓄積されない
     → 毎回ゼロベースの判断。
  3. 数字の共有文化がない
     → 経営と現場が感覚でぶつかる。

データを使わない採用は、「地図のない航海」と同じです。


採用を“数値で回す”ための3つの視点

データドリブン採用とは、単に数字を眺めることではありません。
数字を“意思決定に使う”仕組みをつくることです。

私が支援している企業では、次の3つの視点でデータを設計しています。

① ファネル(応募→採用)の可視化

応募から内定までの通過率を数値化し、「どこで落ちているか」を見える化。

フェーズ通過率改善目標
応募→書類選考70%80%
書類→面接50%65%
面接→内定40%50%

このデータだけで「応募はあるのに面接に進まない=原稿内容のズレ」という仮説が立ちます。

関連して、こちらの記事もご覧ください →
広告費をかけても応募が来ない理由は“キーワード選定”のズレにある


② 採用KPIの設定

KPIとは、採用活動の成果を測る「中間指標」。
最終ゴール(採用人数)だけでなく、その手前の数値を管理します。

例)建設会社での実践KPI

  • 応募単価:3万円以下
  • 面接設定率:80%以上
  • 内定承諾率:60%以上
  • 入社3ヶ月定着率:85%以上

数字で見ると、課題がピンポイントで分かります。
たとえば「内定は出るが辞退が多い」なら、内定フォロー体制を見直すべきです。


③ 定性×定量のハイブリッド分析

数字だけでは採用は語れません。
離職理由のヒアリングや、面接官の評価傾向など“定性情報”を掛け合わせることで、初めて本質が見えます。

実際、ある企業ではデータ分析で「面接官Aが担当した候補者は定着率が2倍高い」ことが判明。
その理由を探ると、Aさんは面接で“職場のリアル”を正直に伝えていました。
つまり、誠実な情報発信が定着を生むというデータ的裏付けが取れたのです。


データを蓄積する「採用管理の設計」

データドリブン採用の第一歩は、「集める仕組み」を整えること。
Excelでは限界があります。
応募経路・通過率・面接結果を一元化できる採用管理ツール(ATS)が必須です。

ここで重要なのは、ツールを「導入すること」ではなく、「運用を設計すること」。

  1. 入力ルールの統一
     → 誰がどの情報を、いつ入力するか。
  2. データの粒度を決める
     → 「年齢・経験・資格」など比較可能な単位で。
  3. 毎月1回の共有会議
     → 経営と現場でデータを見て、次の打ち手を決める。

採用データで見えてくる“真のボトルネック”

数値を追うと、驚くほど明確に「問題の正体」が見えます。

たとえば、A社のデータ分析ではこうなりました。

  • 応募数は多い
  • 面接通過率が低い
  • 面接評価コメントに「仕事内容理解不足」が多い

つまり「求人原稿が伝わっていない」ことが原因だったのです。
改善後は応募数を減らしても採用率1.8倍・定着率+22%を達成。

数字が“改善の地図”になる瞬間です。

このテーマをさらに深掘りしたい方は →
「求人広告会社任せ」から脱却!建設業が“自社で採用をコントロール”する3つの方法


採用を経営のKPIに組み込む

データ採用の最終形は、採用を経営指標の一部に組み込むことです。
売上・施工量・利益率と同じように、
「人材指標(採用単価・定着率・教育コスト)」を経営会議で共有する。

これができる会社は、採用と経営が連動して動きます。
現場の人員確保も早く、事業計画に遅れが出ない。
つまり、“採用が経営を動かす”状態になるのです。


実践ステップ:データドリブン採用を始める5段階

ステップ内容目的
① 現状の数値把握応募・面接・採用データを整理課題の仮説を立てる
② KPI設定目標数値を定義目標管理を明確化
③ データ蓄積ツール導入・運用ルール策定一貫したデータ収集
④ 定期分析月次レビュー・改善会議PDCAを回す
⑤ 経営連携指標を経営会議に統合採用と経営の一体化

このプロセスを回すことで、採用は“運”や“タイミング”ではなく、再現性のある仕組みへと変わります。


データが「人を見る目」を育てる

データドリブン採用の目的は、冷たい数値管理ではありません。
数字を通じて、“人を正しく理解する”ことです。

「この人は定着しやすい」「この工程で落ちる人が多い」
──その背景を探る過程で、採用の本質が見えてきます。

採用は“感覚”で始まり、“データ”で磨かれる。
数字に強い人事こそ、現場に信頼される時代です。


採用成功を「仕組み」で再現する

採用は経験や勘ではなく、設計と検証で進化します。
その仕組みを実現するのが「採用職人の採用支援サービス」https://recruit-worker.com/)。
求人設計・データ分析・KPI管理まで、一気通貫でサポートしています。

また、より実践的なテンプレートはnoteで公開中。
https://note.com/recruit_worker


【参考データ】
・厚生労働省「労働経済動向調査」2024年度版
・独立行政法人労働政策研究・研修機構「人材マネジメント調査」2023年
・経済産業省「DXレポート2」

【参考URL】
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/
https://www.jil.go.jp/institute/research/2023.html
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/dx/