「いい人が辞める現場」と「残る現場」の決定的な違い。建設業のリーダー教育論

なぜ“同じ条件”でも辞める現場と残る現場があるのか?

「給料も悪くない。残業も減らした。それでも辞める人がいる」
──そんな声を経営者から何度も聞いてきました。

でも、不思議なことに、同じ会社の中でも「辞める現場」と「残る現場」がある」。
たとえば、A班は新人が3ヶ月もたないのに、B班は5年続く社員ばかり。
違いは何か?
設備でも給与でもなく、“リーダーの関わり方”です。


1人の職長が現場を変えた話

私が人事部長をしていた頃、ある若手職長のチームが極端に定着率が低く、
半年で3人辞める状況でした。
彼は真面目で仕事もできるが、常にイライラしている。

ある日、新人が遅刻したとき、
「なんで時間守れねぇんだ!」と怒鳴りつけた。
新人は黙ったまま、翌日から来なくなりました。

私はその職長に言いました。

「叱るよりも、“理由を聞く”方が大事だよ。遅刻の裏に何かあるから。」

次の日、彼は新人に電話し、「どうした?」と聞いた。
新人は「朝現場が遠くて、電車がなくて」と話した。
職長は次の週から送迎を調整。
その新人は今も現場に残り、いまやリーダーになっています。

――この瞬間、現場は“怒る現場”から“支える現場”へと変わったのです。


職人が辞める本当の理由は「心理的温度差」

人が辞める現場の特徴を分析すると、3つの共通点が見えてきます。

  1. リーダーの言葉が一方通行
     「頑張れ」「早くやれ」で終わる指示。伝えるだけで、聞かない。
  2. “関係づくり”が後回し
     技術指導ばかりで、信頼関係が育たない。
     結果、ちょっとしたトラブルで一気にモチベーションが下がる。
  3. 教育の仕組みが属人的
     教える人によって言うことが違う。
     「昨日と言ってることが違う」と新人が混乱し、離脱。

逆に、辞めない現場ではこの逆が徹底されています。
職長が「伝える」より「聞く」。
叱る前に「寄り添う」。
そして、教育内容が“仕組み”として整っている。


辞めない現場をつくる“リーダー育成の3条件”

リーダーを「現場の管理者」ではなく、「人を育てる教育者」に変えるためには、
次の3つのステップが欠かせません。

ステップ①:評価基準を「成果」から「関係性」へ

職長の評価項目に「新人の定着率」「チーム満足度」を加える。
数字が変わると、行動が変わる。

ステップ②:リーダー教育を“現場で”行う

座学研修ではなく、1on1同行+ロールプレイ形式で実施。
「叱る→伝える」に変わる瞬間を、体感で覚えさせる。

ステップ③:フィードバックの“型”を共有

「観察→共感→提案」の3ステップで話す仕組みを全現場に導入。
これだけで、離職率は平均で30〜50%改善します。

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リーダーが“支え合う文化”をつくる

現場は「叱る文化」では強くならない。
“支え合う文化”をつくるリーダーが育つことで、採用の意味が変わる。

建設業の採用で本当に必要なのは、
「人を集める力」より「人を活かす力」です。

リーダー育成と教育計画を連動させることで、
定着率は確実に変わります。

この考え方は、noteで公開中の
👉 建設業専用 教育動画・面談テンプレート
でも実例付きで解説しています。


現場文化を変えた会社の成果

実際にこのリーダー育成型教育を導入した建設会社では、

  • 新人3ヶ月離職:38% → 9%
  • 職長の「人材育成満足度」:26% → 85%
  • 採用単価:平均150万円 → 45万円

という結果を達成。
つまり、“人が辞めない=採用コストが下がる”という構造が生まれたのです。

さらに詳しい導線設計はこちらで紹介 →
採用と教育を一貫設計する仕組みづくり


まとめ:リーダーが変われば、採用が変わる

採用は経営課題であり、現場改革でもあります。
辞めない現場をつくるリーダーの条件は、「叱らない勇気」と「伝える仕組み」。

職長一人の成長が、現場の文化を変え、会社の採用を変える。
これが、建設業の採用成功における“見えない核心”です。

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最後に、教育体系化の実践ノウハウはこちら:
👉 職長教育と現場定着の仕組みづくりnote